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荘内日報ニュース


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2025年(令和7年) 2月5日(水)付紙面より

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清水くみ龍神様へささげる 善寳寺 立春恒例「お水取り式」

 鶴岡市下川の善寳寺(水口道雄住職)で3日、立春恒例の「お水取り式」が行われた。近年の温暖化の影響で同寺奥の院周辺は今年も雪が少ない中、市内外から訪れた参拝者たちが無病息災や学業成就を願いながら、貝喰(かいばみ)の池に流れ込む龍王沢の清水をくみ守護神の龍神様へささげた。

 同寺によると以前はこの時期、敷地内が雪で真っ白になり貝喰の池も氷に覆われる。この日、鶴岡市の最高気温は6度ほどで奥の院周辺の雪は山肌と参道に少し見られる程度。1月の降雪が溶けたためか、奥の院手前にある龍神堂正面は貝喰の池に流れ込む水があふれ通行止めとなった。

 参拝者は龍神堂で祈祷(きとう)を受けた後、裏手の龍王沢に移動。ひしゃくで沢の清水を受けて朱色のたるに注ぎ、静かに手を合わせていた。毎月1回、龍王沢まで水をくみに来ている鶴岡市五十川の土岐賢一さん(67)は「守護神が龍神様と教えられてから毎月の参拝は欠かせない。立春の沢の水は格別で、一年の無病息災を願いながら家族と一緒に頂いている」と話していた。

 清水が注がれたたるは僧侶たちが担ぎ、参拝者と共に行列を作って本堂に運び込んだ。清水を龍神様にささげた後、本堂で立春大祈祷が行われた。

参拝者たちが龍王沢の清水をひしゃくで受け、朱色のたるに注いだ
参拝者たちが龍王沢の清水をひしゃくで受け、朱色のたるに注いだ

僧侶や参拝者たちが行列を作り、清水を集めたたるを本堂へ運んだ
僧侶や参拝者たちが行列を作り、清水を集めたたるを本堂へ運んだ


2025年(令和7年) 2月5日(水)付紙面より

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ジオパーク再認定と地域活性化

 鳥海山を取り巻く酒田、遊佐、秋田県にかほ、由利本荘4市町にまたがる「鳥海山・飛島ジオパーク」が再認定された。日本ジオパーク委員会(JGC)が再認定に向けた調査をした結果、保護活動などがしっかりしていることを評価し、「発信方法に工夫を凝らすことで、今まで以上に素晴らしいものになる」との期待感も込めた。

 遊佐町に伝わる民話「鮭の招く石」。先頃一般社団法人日本昔ばなし協会と日本財団「海と日本プロジェクト」の推進事業「海ノ民話のまちプロジェクト」で、海ノ民話アニメに選定された。遊佐町の月光川水系はサケが上ることで有名だ。これも、鳥海山系の大自然が生み出した地質の恵みによるものだ。

◇      ◇

 地球が活動した歴史がよく分かる地質や景観が大切に守られ、教育や持続可能な開発に活用されている地域がジオパークになる基準。鳥海山・飛島ジオパークは2016年秋、JGCの認定を受けた。「日本海と大地をめぐる水と命の循環」をテーマに掲げた活動を展開し、「保護・保全」と「教育に生かす活動」などが充実していることが、再認定につながった。

 ジオパークは、国立公園や世界遺産のようにエリア全体が見どころになるのではなく地質、景観、地形、自然資源という、半ば「定点」を対象とし、それらを広域的に観光・教育につなげて地域の活性化に生かすことを目的としている。点と点を見て終わるのでなく、地域をつなぐ連続性を見てこそ、鳥海山・飛島ジオパークの存在価値が分かる。サケが上る川があり、ふ化事業によって自然の恵みを再生させていることは、まさに鳥海山の造山活動による類いまれなる地下水があればこそ。

 鳥海山・飛島ジオパークは▽酒田▽遊佐▽にかほ▽由利本荘▽飛島―の5つのエリアで構成されている。地域誕生につながる鳥海山の山体崩壊と地震の隆起で生まれた象潟の景観などが、環境教育、火山災害などの防災教育の教材として活用されている事は、ジオパークの趣旨を満たしている。

◇      ◇

 酒田市飛島は海底山脈の噴火で海底が隆起して誕生したことで、島の地形と地質は多彩。大昔、多くのトドがいたことが島名の由来の一つとされている。トドにまつわる民話「トドの恩返し」は、海の恵みに感謝し、島の豊かな自然環境を守るという狙いから、海ノ民話のまちプロジェクトがアニメ化している。

 日本ジオパークから世界のジオパークにしたいという機運もあるという。そうした目標を掲げての活動は、何よりも今ある地域の財産を守ることになる。自然がもたらしてくれた遺産を生かした人々の営み、そこから生まれた文化などを守りつつ、存在感を発信して広域的な活性化につなげていく。それも地方創生に結び付くのではないだろうか。

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2025年(令和7年) 2月5日(水)付紙面より

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学校田の米味わって 地域の子ども食堂へ贈る 余目三小5年生栽培

 庄内町の余目第三小学校(小野修志校長)の5年生が1日、町内で食育活動などに取り組むボランティア団体「ボランティアすまいる」(大谷明子代表)に学校田で収穫した米15キロを寄贈した。

 同小では、学校近くの田んぼを借り、5年生38人が総合学習の一環として、「つや姫」の田植えから稲刈りまで一連の作業を体験した。

 すまいるは2019年6月に民生児童委員を中心に結成され、現在メンバー15人で運営。食事会やお弁当配布、地域住民や子ども同士の交流、食育や遊び体験を進めるなど活動している。

 5年生で収穫した米の活用などについて話し合った際、地域の子ども食堂に協力したいとの案が出たことから今回の寄贈となった。

 この日、余目第三まちづくりセンターで行われた贈呈式では、児童を代表して土門さくらさん(11)と田澤恵那さん(11)の2人が「泥だらけになりながら田植えをした。収穫では鎌で稲を刈り取り、くいに掛けた時はタイムスリップしたような感じがした。味わって食べてくれればうれしい」と話し、大谷代表に1キロずつ袋に入れた米を手渡した。大谷代表は「貴重なお米を頂けて感激している。物価高なのでお米が一番喜ばれる」とお礼を述べた。

 寄贈された米は贈呈式後に行われた会食に参加した15世帯にプレゼントされた。

収穫した米を大谷代表(左)に手渡す余目三小5年生
収穫した米を大谷代表(左)に手渡す余目三小5年生


2025年(令和7年) 2月5日(水)付紙面より

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優れた生産者に選出 ファーマーズ・オブ・ザ・イヤー2024―25 「芋萬」(酒田)事業展開高評価

 日本最大級のサツマイモ品評会「日本さつまいもサミット」で、酒田市で農薬不使用の安納芋などの生産から加工、販売を行い、焼き芋屋事業も手掛ける「芋萬」(中町三丁目、萬谷伸之代表)が、全国の優れた生産者に贈られる「ファーマーズ・オブ・ザ・イヤー2024―25」の一人に選ばれた。東北地方からの受賞は初という。萬谷代表は「他の芋と違う、おいしいなどの声に励まされて生産を続けてきた。素晴らしい賞を頂き、とてもうれしい。より多くの人に自分の芋を食べてもらい笑顔になってもらえたら」と喜びを語った。

 サミットは全国の優れた品種や生産者に光を当て、その魅力をPRし、サツマイモへの関心を高めてもらおうと「さつまいも博実行委員会」(石原健司委員長)が2020年から開催。品種部門と生産者部門の2部門で、それぞれ3―5の品種、生産者を「オブ・ザ・イヤー」に認定している。

 芋萬は同市の老舗陶器店「萬谷」の後継者である萬谷代表が、庄内砂丘に畑を借り、18年にサツマイモの生産を開始した。同市を中心に県内外のスーパーや豊洲市場などへ安納芋を出荷。また、焼き芋屋事業も行いファンを喜ばせている。現在は約4ヘクタールで作付けし、収量は約27トン。サミットへの出品は22―23年が初で、天候不良の影響で出品しなかった次年を除き、2回目。

 今回の生産者部門には全国から約100個人・団体の応募があり、栽培方法や技術、サツマイモに対するビジョン、食味審査の事前審査が行われ、今年1月の有識者による最終審査で、芋萬を含めた4団体をファーマーズ・オブ・ザ・イヤーに選出した。実行委によると、芋萬は「芋の味が確かで、日本の南で栽培される安納芋に山形の地でチャレンジしている」など高い評価を受けたという。

 受賞の知らせに萬谷代表は「偏食の子どもがいるが芋萬の芋は好きだと言ってくれる人や横浜の市場関係者からも本場の芋よりおいしいと言われ、すごく励みになっている。今度はさつまいもオブ・ザ・イヤーの部門でも入賞を狙いたい」と展望を語った。

 表彰式は今月23日にさいたまスーパーアリーナけやきひろばで行われる。

安納芋を手に受賞を喜ぶ萬谷代表
安納芋を手に受賞を喜ぶ萬谷代表


2025年(令和7年) 2月5日(水)付紙面より

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日本バッハピアノコンクール 動画大会中学B部門 矢野さん(羽黒中1年)銀賞に輝く

 このほど審査が行われた全国コンクールの「第15回日本バッハピアノコンクール」動画大会の中学B部門で、羽黒中1年の矢野日詩(ひなた)さん(13)が銀賞に輝いた。矢野さんは「うれしいというよりも、びっくりした。バッハは苦手だったが、入賞できて良かった」と喜びを語った。

 同コンクールは、バッハ作品の特徴でもあるバロック期のポリフォニー(複数の独立したパートからなる音楽)の作品を学習するのにふさわしいコンクールと位置付けられ、幼児から一般まで毎回約7000人が参加している。矢野さんがエントリーした中学B部門の全国大会(東京)には7人が勝ち残り、審査の結果第2位となった。

 矢野さんは、東京から引っ越してきた小学2年の時に、音楽好きの祖母から勧められ、ピアノとバレエを習っている。翌3年生で挑戦した全日本ジュニアクラシック音楽コンクール全国大会で、いきなり5位に入賞。小学5年でバッハコンクールの全国大会に進出したが入賞はならず、今回リベンジした。

 ピアノの指導をしている石黒桃子さん(鶴岡市若葉町)は「日詩さんは優しく柔らかく弾くのが持ち味だったが、バッハ作品に必要な力強さを出せるよう、最後の2週間で修正した。バレエで鍛えたブレのなさで見事に演奏し切った」と絶賛した。3年前に金賞を受賞した当時高校2年生の教え子と同じ「シンフォニア第6番ホ長調BWV792」で臨んだこともあり、感激もひとしおだったと言う。

 好きな作曲家はドビュッシーだという矢野さん。今回のバッハの曲については「3つあるメロディー以外の部分のバランスが難しかった」と振り返るが、今後もバレエと両立させながら「ゆくゆくは音楽に携わっていきたいので、苦手な曲にも向き合っていきたい」と話し、次回はさらに難易度の高い「中学C」部門に挑戦するという。

賞状と盾を手にする矢野さん(右)と指導の石黒さん
賞状と盾を手にする矢野さん(右)と指導の石黒さん



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