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プチヴェール

「癖がないし、色がいい。それにどんな料理法にも合います」。酒田市平田地区の農産物直売所「めんたま畑」にプチヴェールを出荷している阿部一男さん(72)=石橋=は素材としての魅力をこう語る。

プチヴェールは平成に入ってから開発された「新野菜」。冬から早春にかけて収穫される。青汁の原料となるケールと芽キャベツを掛け合わせた。庄内でも近年、旧平田町や旧羽黒町、鶴岡市などのハウスで栽培されるようになり、めんたま畑では、赤ネギと並ぶ「冬の顔」に定着した。

阿部さんは1995年、知人の勧めで栽培を始めた。静岡県内の種苗業者から苗を購入し7月に定植。半年後の1月には高さ80cmほどに成長し、収穫期を迎える。1本の茎から80~100個の深緑色の芽が顔を出し、バラ状に開いていく。花が咲く前に収穫する。

深緑色の芽は、ゆであげると鮮やかなグリーンに変わる。「この濃い緑色がいいんです。小型で食べやすい一口サイズで調理も簡単。甘みが口の中に広がります。まずはしょうゆマヨネーズ、ごま和えでどうぞ。さっとゆでて甘みと歯ごたえを楽しんでください」と話すのは妻の綾子さん(69)。

びっしり生えたプチヴェールを収穫する綾子さん

プチヴェールはフランス語で「小さな緑」を意味する。しかし、料理法は和食、洋食、中華、天ぷらなど何なでもござれ。「シチューに入れると彩りがいいですよ。すき焼きやしゃぶしゃぶなどの鍋物でもいけます」と綾子さんは“万能選手ぶり”を強調する。

それでは栄養価はどうか。「βカロチン、ビタミンC、鉄分、カルシウムを豊富に含んでいます。健康野菜ですからね」と阿部さん。綾子さんは「変わった食べ方ではピザもあります。試してみてください」とPRする。

阿部さんの自宅そばにあるハウスには約300本のプチヴェールが植えてある。豪雪に見舞われた今冬は生育が遅れ、出荷時期もずれ込んだ。「2月の半ばに、急に暖かくなったので一気に開いてしまいました。収穫が大変です」と苦笑する。

めんたま畑では14、15個が入った100g入りを1袋140~150円ほどで3月末まで販売している。

阿部さんのおすすめレシピ

プチヴェールのフラワーピザ

○材料(4人分)

プチヴェール200g、ベーコン2枚(2cmほどに切りゆでておく)、プチトマト5個、ゆで卵1個、ご飯2カップ(炊いておく)、マヨネーズ大さじ1、しょうゆ小さじ1、塩少々、とろけるタイプのチーズ100g、オレガノ(ハーブ)とグレープシードオイル各少々

○作り方

  1. プチヴェールは色よくさっと1分ほどゆで、軽く塩をふる。
  2. グラタン皿にグレープシードオイルを塗り、ご飯をすき間がないように敷き詰める。
  3. ご飯にマヨネーズとしょうゆを混ぜたものをふりかけ、プチトマト、プチヴェール、ベーコン、ゆで卵の白身を乗せ、オレガノとチーズをたっぷり載せて200℃のオーブンで3~4分焼く。
  4. チーズがとろりと溶けたら卵の黄身、プチヴェールの小株をトッピングして完成。

ポイント プチヴェールはゆですぎないようにして歯ごたえを楽しむ。

2006年3月4日付紙面掲載

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