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「ズッキーニ」油とよく合う夏野菜

梅雨入り前なのに暑い日が続き、夏野菜が食べたくなる。「次回はズッキーニはいかがでしょう」という誘いにグラリときたが、わが家の食卓に上る機会は少ない。「火の通し加減が分からない」からだ。「料理が上手な人ですから、おいしい食べ方を教えてもらえると思いますよ」。鶴岡市の百万石の里「しゃきっと」のスタッフの言葉に後押しされ、阿部リツさん=面野山=を訪ねた。しゃきっとでは母親の文子さんの名前で販売している。

「火は通しすぎない方がいいです。中は軟らかいので、料理する時はナスを思い浮かべればいいかもしれません」。阿部さんの言葉で疑問はあっさり氷解した。

ズッキーニを栽培して3年目。「丸いものも作っていましたが、長い方が売れる。今は緑と黄色の2種類にしぼっています。丸いのは中をくりぬいて肉詰めにしたらおもしろいし、見た目もかわいい、と思った。でも、お客さんには伝わらなかったようです。難しいですね」と苦笑いする。一方で、「『勧められたので、半信半疑で買ってみたらおいしかった』と言われた時はうれしかった」と振り返る。

茎の間から実が顔をのぞかせるズッキーニ

栽培に手間はかからないが、収穫には気を遣うそうだ。「成長が早いので、見逃してしまうと大きくなって、商品価値がなくなる。2日も置いておいたら大変なことになってしまいますよ」と笑った。

キュウリを大きくしたような外観だが、カボチャの仲間らしい。どんな料理が合うのだろう。「油と相性がいいので素揚げやいため物などシンプルな料理のほか、スパゲティーに入れると彩りもいいと思います。カレーやグラタンにも使えるそうです」と教えてくれた。

素揚げと牛肉とのいため物をごちそうになった。「素揚げは塩で、いため物はしゃきっと特製のドレッシングで食べてみてください」。

まずは塩味で黄色と緑色の両方を食べ比べた。黄色の方がホクっとしてカボチャに近い味わい、緑色は「ウリ系」の感じがした。塩がよく合う。次にしゃきっと店長おすすめのドレッシングでいため物を食べてみた。やや酸味がかったドレッシングがとてもおいしい。「私はサラダ油の代わりにゴマ油を使いました。パプリカや紫タマネギなど季節の野菜を入れてもいいです」。このドレッシングは家でも簡単に作ることができそう。ステーキソースにもいいようだ。

畑に行ってびっくりした。キュウリをイメージしていたが、緑色の幹と茎が地面から生えている「南方系」の植物だった。実と茎が同じ色だけに、収穫期に見落とすというのもうなずける。

帰宅後、ジャガイモ、セロリにコンソメを加えたズッキーニのスープ、ベーコンとのいため物を作った。火の通りがなるほど早い。いためすぎない、煮すぎないのがおいしく食べるコツと分かった。カボチャとキュウリ、ナスのトライアングルの真ん中に位置する野菜に思えた。

阿部さんが「くせもいやみもない野菜」と表現するのも納得。低カロリーでビタミンAとCを含み、これからの時期はたっぷり食べたい。阿部さんのズッキーニは、80円から鶴岡市覚岸寺のしゃきっと=電0235(29)9963=で今月末まで販売している。

阿部さんのおすすめレシピ

ズッキーニの素揚げドレッシングあえ

○材料

ズッキーニ、A(タマネギのみじん切り、ピーマンのみじん切り各適量)、B(酢1、サラダ油1、しょうゆ0・5、砂糖少々)

○作り方

  1. Aの野菜は水にさらし、辛みを抜く。Bの比率のドレッシングを作り、Aとあえる。
  2. ズッキーニを厚めの輪切りにして、油でさっと揚げる。
  3. 揚げたズッキーニにドレッシングをかけ、温かいうちに食べる。

メモ

パプリカなど季節の野菜を刻んで入れてもよい。ごま油で代用してもおいしい。残った野菜サラダなどにあえて一晩置くと味がしみる。

2008年6月14日付紙面掲載

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