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「インカのめざめ」スイーツのジャガイモ

インカのめざめの切り口はクリを思わせるオレンジに近い色だ

「今年から会員たちが栽培を始めたおいしいジャガイモです。ぜひ取り上げてください」。鶴岡市の産直館スタッフの要請で、満を持して登場するのが「インカのめざめ」。料理番組でタレントの木村拓哉さんが使って知名度がアップしたそうだが、話題性だけでなく素材そのものの実力も相当らしい。

「クリみたいなジャガイモですよ」と、取材をお願いした齋藤由起さん=辻興屋=に電話口で言われたがぴんと来ない。「クリカボチャならあるが、クリジャガイモとはどんなものだろう」と、つぶやきながら車を走らせているうちに齋藤さんの自宅に到着した。

「種イモの値段は高いのに収量は普通のジャガイモの3分の1程度。価格が高くなるのは当然です。でも、400グラムで280円は高い。値を下げようと思ったら、周囲に『だめだー』と言われていました」と齋藤さんが苦笑いした。

確かに1袋100円前後のジャガイモのそばに置いてあるインカのめざめには手を伸ばしにくいように思える。最初はあまり売れなかったというが、1度食べるとやみつきになるそうだ。

インカのめざめは、南米・アンデスの高級ジャガイモを国内栽培向けに改良した品種らしい。北海道で主に栽培され、人気を呼んでいる。

齋藤さんは今年、メークイン、キタアカリ、インカのめざめと、3種類のジャガイモを栽培した。メークインは煮物向き、煮くずれしやすいキタアカリはポテトサラダと用途は分かれる。

それではインカのめざめは?「煮くずれしにくいのが特徴です。ふかしたり、ジャガバターやポテトサラダにするとおいしいです。ラップに包んでレンジでチンしてもいいですよ」という答えが返ってきた。

いよいよインカのめざめとご対面。見た目は普通のジャガイモと変わらない。「掘りたてはもっと茶色が強かったんですよ」と話しながら、齋藤さんが包丁を入れた。切断面はオレンジ色に近い。確かにクリ、もしくは庄内柿を思わせる色だ。

ポテトサラダとゆでたインカのめざめをごちそうになった。ホクホクしておいしい。ただし、ジャガイモのホクホクとは違う。サツマイモ、もしくはクリの味わいに近い。「なるほど、これはクリのようなジャガイモだ」と納得した。

「うちの娘は『サツマイモみたいな味がする』と言っています。最近はほかのジャガイモに見向きもせず、インカのめざめをレンジで温めて食べています」と齋藤さん。素材そのものの味を楽しむのがいいようだ。スイーツのジャガイモと呼ぶそうで、このネーミングにも素直にうなずける。

 「低温になると甘みが増すというので、予冷庫に入れています。冬になったらクリームシチューに入れるとおいしそう。楽しみです」と齋藤さんが話す。「でも、カレーに使うのはもったいないな」と口にすると「私もそう思います」。

「280円」を最初は高いと思ったが、食べてみて納得の味だった。「昨日、下ゆでして、焼き肉にも使いました。油を吸っておいしかったですよ」と言うから用途は広そうだ。

齋藤さんのインカのめざめは、産直館の白山店=電0235(25)6665=、駅前店=同(22)0202=、のぞみ店=(35)1477=で販売している。

齋藤さんのおすすめレシピ

インカのめざめのポテトサラダ

○材料

インカのめざめ、キュウリ、塩、コショウ、マヨネーズ

○作り方

  1. インカのめざめの皮をむいて一口サイズに切る。
  2. たっぷりのお湯でゆでる。くしが通るぐらいになったらお湯を捨て、鍋の中でゆすって粉ふきいもにする。
  3. あら熱が取れたらマヨネーズ、塩コショウで味を調え、スライスしたキュウリを入れてまぜる。

メモ

好みでタマネギのスライスなどを入れてもよい。

2008年8月9日付紙面掲載

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