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「キュウリ」みずみずしさが魅力

「しゃきしゃきとした歯ごたえ。それがキュウリの魅力です」。鶴岡市櫛引地区の「産直あぐり」にキュウリを出荷している三浦文さん=下山添=が笑顔で話す。

広さ100坪の4棟のハウスで夫の孝一さんとキュウリを栽培している。「この辺は元々、野菜作りが盛んだった。昔は、育てた野菜をリヤカーに載せて市街地に売りに行った。出前産直みたいなものだな」と孝一さんが振り返る。

ハウス内のキュウリはみずみずしさにあふれている

三浦家では1969年にキュウリの栽培を始めた。2月上旬に種をまき、1カ月後に定植。ハウス内は一定の温度に保たれる。厳冬と原油高に見舞われた今冬、燃料費がかなりかさんだ。しかし、販売価格に転化すれば、安くて新鮮なキュウリを買いに来る人に申し訳ないという思いがある。5本入り150円ほどの「定価」を維持している。

今年は4月に収穫が始まった。当初は朝だけだったが、10日ほどすると、キュウリの成長に作業が追いつかなくなる。4月下旬以降は午前5時と午後4時の「2度もぎ」が続いている。

朝と夕では表面の色に違いが出るというからおもしろい。「朝もぎは淡い緑色、昼間に太陽をいっぱい吸った夕方は濃い緑色です。一般の人は見分けがつかないと思いますが、生産者なら分かります」。文さんが笑う。

表面の色は鮮度の目安でもある。「収穫時は若葉のような色だが、時間がたつと黒っぽい濃い緑色になる」と孝一さん。「キュウリの98%ぐらいが水分を占めている。水平にしてみて、先が下がるようだと、水分が抜け日数がたってきた証拠」と選ぶポイントを教えてくれた。

以前は消費者もまっすぐなキュウリを好んだが、「今は曲がっている方が喜ばれる」と嗜好(しこう)が変わってきた。「一本を丸ごと、ぬか漬けや辛子漬けにするとキュウリは真っすぐになる。曲がるキュウリは花芽がついた時点で分かるので短いうちに収穫し、規格外品として半額以下で売っている」と孝一さんが話す。「はじき」も人気商品だ。

三浦家では春から夏は辛子漬けや一夜漬け、秋は焼酎漬けにして食べることが多い。市街地に住む3人の孫娘たちはキュウリが大好物。「届けてもあげるし、親と一緒に取りに来ることもあります。もろきゅうにしてみそ、マヨネーズを付けて食べたり、サラダにしたりと、たくさん食べてくれます」と文さんが目を細めた。

文さんのおすすめレシピはキュウリとちくわの中華味。「急なお客さんが来たのに何もない時、すぐに作れるので便利ですよ」と言われ、もぎたてをいただき、帰宅後、さっそく試してみた。10分ほどで完成、試食してみると、手抜き料理のようでこれがなかなかにいける。ご飯のおかず、ビールのお供とどちらにも最適。ボウル1杯分がいつの間にかなくなった。ちくわとキュウリの相性の良さにも驚かされた。

「キュウリは煮る、焼くができないものと思っていた」という文子さんは「太いものがほしい」という人にどう料理するのか聞いたところ「夕顔のようにしょうゆ味でいためて食べる」という答えが返ってきた。驚き、同時に「いろんな使い道があるんだ」と感心もした。

「作った野菜を喜んで買ってくれるのが見える。それがうれしい」と、産直に取り組む生産者の喜びを語る。春キュウリの出荷は7月中旬までで、1カ月の「ブランク」を経て8月末ごろに秋キュウリがお目見えする。

三浦さんのおすすめレシピ

キュウリとちくわの中華味

○材料

キュウリ1kg、ちくわ1袋、ごま油大さじ1、みりん小さじ1、しょうゆ大さじ1、塩大さじ1、七味唐辛子少々

○作り方

  1. キュウリをよく洗い、斜めに切るかすりこぎでたたく。
  2. 1を汁が出るまで塩もみする。
  3. 2をさっと水洗いにして水を切っておく。
  4. ちくわを斜めに千切りする。ちぎってもよい。
  5. 水切りしたキュウリにちくわを入れて、しょうゆ、みりん、ごま油を入れる。好みで味塩を入れても良い。最後に七味唐辛子を好みでふりかけてできあがり。すぐに食べられる。

2006年6月3日付紙面掲載

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