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「麗夏」色も鮮やか完熟トマト

夏に食卓を彩る野菜は多いが、生で子どもたちも食べ、ビールのつまみにもなる野菜と言えばトマトだろう。「いろんなトマトを作っている人ですから、取材対象にはうってつけだと思いますよ」。鶴岡市の産直館のぞみ店の富樫秀子チーフのすすめで、松浦ふみ子さん=同市寿=を訪ねた。

「作っているトマトの大半が麗夏(れいか)という品種です。赤く熟してからもぎ取ります。見た目もきれいですし、実も硬くしっかりしているので日持ちもいいんです」と解説してくれた。麗夏は、種苗メーカーのサカタのタネが開発した品種。ほかの5品種とともに「王様トマト」の統一ブランドで売り出されている。

「前に作っていた品種は実割れが多く出て、商品価値がなくなってしまう」と変更した理由を語った後、「麗夏は本来、大玉ですが、今年はたくさん実が付いてしまい、摘果が追いつきませんでした。だから中玉の比率が高くなってしまいました」と苦笑いした。

実が赤く染まってから収穫する麗夏

松浦さんに聞くと、昔のトマトはまだ青いうちに収穫し、流通過程や店頭で赤く熟すのを待って販売していたそうだ。畑で完全に「赤熟」する麗夏なら、新鮮なうちにきれいな色のまま出荷できる。その分、カロテンの一種で動脈硬化の予防につながるリコペン、うまみ成分の遊離グルタミン酸を多く含むというから、消費者にとってもうれしい。

トマトは生食と思いこんでいたが、「最近は火を通して食べる人が増えているんですよ」と富樫チーフに聞いていたので、松浦家の食べ方を聞いてみた。「やはり生で食べますよ」と笑った後、「ぶつ切りにしてカレーに加えると、トマトの酸味が加わるためかコクが出ます。冬は寄せ鍋に入れると冷めにくく、おいしいです」と教えてくれた。

収穫した麗夏を見せてもらった。青いところは全くない。確かに赤い。「本当の意味での完熟ですからね。甘みはフルーツ系には劣りますが、酸味はあります。ただ、値段はちょっと高めになります。許してください」と申し訳なさそうに話した。

松浦さんは麗夏のほか、皮が薄い「ぷよ姫」「トスカーナバイオレット」「華おとめ」といった新しい品種のトマトも手がけている。

トマトに力を入れている産直館には松浦さんたちが栽培したニューフェースがずらりと並ぶ。さらにグラタンや冷たいスープなどトマトを使った料理のレシピも置いているので、いろんな料理に挑戦してほしい。

頂いたトマトは新鮮そのものだったので、わが家では生のまま食べた。「色がきれいで実がしっかりしている」と家族の評判もよかった。産直館から持ってきたレシピの料理も試してみようと心に誓った。

麗夏をはじめとした松浦さんのトマトは鶴岡市のぞみ町の産直館のぞみ店=電0235(35)1477=のほか、産直館駅前店、産直館白山店、産直こまぎ、産直もえんでも「霜が降りるまで」販売している。

産直館のおすすめレシピ

トマトのサラダ

○材料

トマト、エシャロット大さじ1個分(タマネギでも可)、パセリ大さじ1個分、ドレッシング調味料(和がらし小さじ1、すりおろしニンニク小さじ1/2、すりおろしたタマネギ大さじ1、塩ひとつまみ、コショウ少々)、酢50㏄、サラダ油150㏄

○作り方

  1. ドレッシング調味料の材料をボウルに入れ、酢を少しずつ入れてからサラダ油をつぎ足し、泡立て器で攪拌させる作業を繰り返す。分離しないよう注意する。
  2. トマトのへたをくりぬいてから沸騰したお湯でさっとゆで、氷水に取り皮をむき、輪切りにして皿に並べる。
  3. エシャロットとパセリをみじん切りにして2の上に散らす。
  4. ドレッシングをかけて出来上がり。

メモ

ドレッシングは冷蔵庫に入れておけば2~3週間ぐらい日持ちする。

2009年8月1日付紙面掲載

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