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「アマドコロ」ほろ苦い「山のアスパラ」

今回、取り上げるのはアマドコロという春の山菜。旬が短く、産直施設に並ぶようになったのもここ数年のことだ。庄内での認知度は低いが、心待ちにしている人も多い。

「生えている所の写真も撮るんですか? 教えたくないなあ」。酒田市のみどりの里「山居館」でアマドコロを販売している澁谷政信さん=広野=に電話で取材を申し込むと、苦笑いが聞こえてきた。

庄内では砂丘地にも自生している「山のアスパラ」とも呼ばれるアマドコロ

アマドコロはユリ科の多年草で、全国の山林や丘陵地に自生している。若芽はスイセンに似ている感じだ。家族が毎年春に採ってきたのを食べており、親せきにもアマドコロファンがいる。

「5、6年前にひょんなことから、その存在を知りました。『なんだ、うちの山にもいっぱい生えているやつじゃないか』と思い、産直で売り始めたんです」。澁谷さんがアマドコロとの出合いを語る。

「教えたくない」と電話口で話した澁谷さんだが、軽トラックで砂丘地の畑に案内してくれた。斜面の所々にアマドコロが見える。群生している場所もある。「最上地方の人たちがよく食べるそうです。この時期になると、浜中から十里塚にかけて、山形ナンバーの車が駐車してあります」。アマドコロを摘み取りながら澁谷さんが話す。

「外の皮を取ってゆでて食べるのが一般的です。アスパラと同じように、マヨネーズを付けてどうぞ。タマネギとのかき揚げもいいし、マイタケやピーマンなどとのバターいため、豚肉で巻いて焼くのもおすすめです」。下ゆでをすれば、アスパラと同じような使い方ができるようだ。ちなみに、わが家では先の部分は天ぷらにして食べる。

頂いたアマドコロをゆでて豚肉で巻き、フライパンでいためた。初めてやってみたが、子供たちも違和感なく食べていたので、特有のほのかな苦味は肉類との相性もいいようだ。アマドコロを「山のアスパラ」と呼ぶ人もいるそうだが、なるほどとあらためて納得した。

澁谷さんを取材後、知り合いの農家に一晩水に漬けると苦味が抜けると聞いた。アマドコロならではの春の香り、苦味が好きな人は異論を唱えるかもしれない。「砂丘の山菜、天気が良ければ1週間で終わってしまいます」と澁谷さんが話すアマドコロは200グラム入って180円。酒田市山居町一丁目の山居館=電0234(26)6222=で販売している。

2010年4月24日付紙面掲載

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