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「オカヒジキ」心地良いしゃきしゃき感

見た目はスギナにも似ているオカヒジキ。手で簡単に摘み取ることができる

オカヒジキという野菜は子供のころ、母親によく食べさせられた記憶がある。大人になってからはあまり食する機会がない。一般家庭の食卓にはあまり上らない野菜なのだろうか。疑問が頭に浮かんだ。

「栽培を始めて3年目になりますが、わたしも自分が植えるまではほとんど食べたことがありませんでした」。鶴岡市の百万石の里「しゃきっと」でオカヒジキを販売している五十嵐栄さん=茅原町=が話す。そして「産直でも去年までは食べ方が分からないという人が結構いました。今年は浸透してきたようです。ブームになってきたのかしら」と続けた。

オカヒジキの魅力はしゃきしゃき感にある。ゆでて食べると口の中に心地良さが広がる。料理法は「ゆでる」に尽きると思ったら「天ぷらが一番簡単です。わが家では好評ですよ」という答えが返ってきた。オカヒジキの天ぷら? 意外な感じがした。

「食べてみてください」。目の前に五十嵐さんが揚げてくれた天ぷらが登場した。衣の中は緑色で、モミジのような形をしている。口に入れてみると、さくっとした歯触り。癖がなくておいしい。「色合いも楽しみながら食べるので、衣は薄くした方がいいようです。カリカリ感がいいでしょう。酒のつまみに向いていると思います」と同意を求められ、素直にうなずく。

ゆでたオカヒジキをからしじょうゆでいただいた。「ゆで過ぎないのがコツです。火が通り過ぎると、色も悪くなります」。独特の食感とぴりっとした辛みが調和している。おひたしや酢みそあえのほか、ホタテ貝や赤貝の缶詰と一緒にあえるのもおすすめだそうだ。意外な調理法がいため物。「ホウレン草と同じ感覚でハムや肉といためてください」と教えてくれた。

「露地で植えている人もいますが、わたしは早く出したいのでハウスで栽培しています」。早速ハウスに連れて行ってもらった。雑草のスギナにちょっと似た感じだ。「1回目の収穫を終えたところなので、今はあまりたくさん採れません。軟らかくてポキポキ折れますよ」。五十嵐さんがオカヒジキを摘み取っていく。

その日の夕方、ゆでたオカヒジキのあえ物がわが家の食卓に上った。しゃきっとの売り場には「熱湯で約2分間ゆでる」と書いてあったので、それに従った。子供には受け入れられないかと思ったが、苦味もなく、食感も良いせいか、おいしそうに食べていた。ホウレン草の倍以上のカルシウムを含んでいるというのもうれしい。

五十嵐さんのオカヒジキは80グラム入って110円。鶴岡市覚岸寺のしゃきっと=電0235(29)9963=で6月末まで販売している。

2010年6月5日付紙面掲載

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