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「レンコン」食感楽しめ料理も多彩

学生時代、串カツ料理をメーンにした居酒屋で「うまいから」と友人に勧められ、レンコンの串カツを初めて口にし、そのおいしさに目覚めた。以来、レンコンは好きな野菜の一つになった。鶴岡市大山の上池、下池をはじめ、ハスの花は各地で見かけるものの、庄内産のレンコンに店頭でお目にかかれないのが不満だった。たまたま鶴岡市の産直あぐりで、袋に入ったレンコンを見つけ、思わず飛びついた。

「4アールほどの転作田に水を張り、レンコンの栽培を始めて10年以上になります。花があまり咲かない品種なので、夏に目にするのは2、3本ぐらいです」。収穫したレンコンを水洗いしていた矢口弘さん=宝谷=がにっこり笑った。

泥の中から手で掘り出したレンコンはブラシで汚れを落とす

矢口さんが手にしたレンコンは3本が節でつながっていた。長さにして1メートルほどだろうか。「大きく育つと、このぐらいになります」。レンコン掘りは道具を使わず手作業で行う。「泥の底にあるのでなかなか大変です。途中で切れてしまうと泥水が入るので、折らないように心掛けています」と話す。

収穫したレンコンは、畑のそばに矢口さんが掘った小さなプール状の「池」で洗う。水道水だと鮮度落ちが早いのだそうだ。畑の土が交じった水で1連ずつ、ブラシを使って丁寧に汚れを取る。

いため物や煮物、揚げ物などレンコンはいろんな料理法が考えられる。「外の皮はむいてください。きんぴらもいいですが、すりおろしたレンコンに小麦粉をまぶして天ぷらにするとちょっと変わった味でおいしいですよ」と教えてくれた。

「スーパーで売っているレンコンは途中でカットされています。輪切りにすると乳白色の液体が出てくるので鮮度が落ちやすいと思います」。レンコンは水分が多い野菜だから、葉野菜より日持ちするとはいえ、鮮度が味の良しあしに占める割合は大きいと思える。

頂いたレンコンで早速きんぴらを作ってみた。薄く輪切りにする際、包丁から伝わってくる感触が違う。「さくり」という手応えは新鮮さの証しだろう。いためたレンコンを口に入れると、しゃきしゃき感に富んでとてもおいしい。次回は揚げ物、煮物にもぜひ使いたいと思った。

「太いレンコンは煮物の方が合うかもしれません」と矢口さん。正月料理の煮しめにも欠かせないレンコンはこれからの時期、とても重宝しそうだ。「農薬も化学肥料も使っていません。米ぬかとソバの実で育てています」というのもうれしい限り。

矢口さんのレンコンは500グラム入って1袋300円。掘りたてを土曜の朝に鶴岡市西荒屋の産直あぐり=電0235(57)3300=に持って行く。「11月末までは収穫できると思います。雪が積もってしまえば終わりです」と笑った。

2010年11月13日付紙面掲載

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