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「スイートコーン」甘みと栄養が凝縮

「1週間ぐらいしか収穫できないので、『来週から出ます』というような形で紹介してもらえませんか」。庄内総合支庁農業技術普及課の地域支援専門員の方から取材依頼が舞い込んだ。「短い旬」というフレーズが思い浮かぶ。これだけで取り上げる価値がありそう。楽しみだなあと思いながら、庄内町の風車市場でハウス栽培のスイートコーンを販売する門脇ゆかりさん=狩川=を訪ねた。

「もっと早く取れるかと思ったんですが、10日ごろからになりそうです」。門脇さんが申し訳なさそうに話す。テーブルには2種類のゆでたてのスイートコーンが載っている。「手前がさっき取ってきたもの。やっぱりまだ早かったみたい。奥の方は昨年、収穫して冷凍しておいたものです」。なるほど手前のトウモロコシの実はまだ白い。

スイートコーンとは、トウモロコシの中で糖分を多く含んでいるグループの呼び名らしい。

門脇さんのスイートコーンは甘さに定評があるという。風車市場にハウス物を出しているのは門脇さんだけ。「甘い食べ物が苦手な人はお水と一緒でないとだめかもしれません」と笑う。

「八百屋で買ったトウモロコシがおいしくなかった。それなら自分で作ろうと思って」。栽培を始めた理由はいたって単純。最初は露地で栽培していたが、強い東風「清川ダシ」の通り道だけに倒伏防止の設備を施す必要があった。消毒しないため害虫にも悩まされた。「ハウスならどうだろう」という義父のアドバイスで4年前、ハウス栽培に切り替えた。

収穫期には1日50本ほどを風車市場に出荷しているが「1人で10本、20本と買ってくれる人もいて、早い時間でなくなることもあるらしいです」という人気。「今年はいつ」という問い合わせも来るそうだ。

1本のトウモロコシからはたくさんの実がなると思っていたが、素人考えだった。2本ほどしか取れないと聞いてびっくり。しかも「ハウス栽培だと、下の方はあまりきれいに実が付かないことがある。上の1本を風車市場に出して、下のは自家用に回しています」と話す。甘さと栄養が凝縮されたコーンがおいしくないはずはない。

「まだ早いので、実の粒は小さくて本当じゃないけど、試しに食べてみてください」と勧められ、ゆでた「初物」をいただいた。身が白くまだ成熟していないが、実力の「片鱗」はうかがえる。昨年の冷凍物も食べてみた。「生に比べてくちゃっとしますよ」と言うように歯触りは劣るものの、これまで食べたどのトウモロコシよりも甘い。旬の時期にぜひ買いに来ようと誓った。

ゆでるのが一番というハウス栽培のスイートコーン

料理法は「なんと言ってもゆでるのが一番。実をはじいてシチューやコーンコロッケもいいかもしれません。鮮度が大切です。取れたてならレンジで3~5分、火を通すだけで食べられますよ」と教えてくれた。おいしいスイートコーンの選び方は「皮を開いてみて、粒がそろっているか、皮が生き生きしているかに注意してください」。

おすすめレシピはなしだが、おいしいゆで方を聞いた。「沸騰したお湯で5~6分間ゆでて、皿に上げたらさっと塩を振ります。こうするとスイカと同じで甘みが引き立ちます」。鮮度のよいものは心持ちゆで時間を短くした方がいいそうだ。「すぐに食べない場合、ラップでくるんでおくと、実がしぼむのを防ぎ、おいしさを保つことができます」とにっこり。

甘みたっぷりの門脇さんのスイートコーンは、風車市場で販売する。1本120~130円。売り切れ御免の限定品だ。

2007年7月7日付紙面掲載

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