今回取り上げる野菜は、昔はよく食べたけど最近ごぶさただな、という人が多いのではないだろうか。スーパーでも最近、ブロッコリーに取って代わられ、影が薄くなったような感じがする。ここまで言えば、「ああ、あれか」とぴんと来る人もいるのでは。正解はカリフラワー。珍しいオレンジ色の品種・オレンジブーケを紹介する。
「露地物なので、雪が降ると腐ってしまう。それが心配で」。遊佐町の道の駅「ふらっと」でオレンジブーケを出荷している大宮隆子さん=服部興野=は、突然やってきた「冬将軍」に顔を曇らせる。
大宮さんはこれまで、白いカリフラワーを栽培していた。オレンジブーケは今年が初挑戦。「『これ、いいよー』と種屋さんに勧められて植えてみました。一緒に種をまいた白はもう終わりなのに、こちらはまだ収穫できない。おくてみたいですね」と話す。
カリフラワーもブロッコリーもキャベツから生まれた野菜だそうだ。子どものころカリフラワーをよく食べた記憶があるが、わが家でも食卓から遠ざかって久しい。
「カリフラワーは大きいので、冷蔵庫で場所を取るし、核家族化が進んだ今は使いにくいのかもしれません。だから私は丸ごとと半分に切ったものと両方を販売しています」。そんな配慮が消費者にはうれしい。
調理法は「カレーやシチューに入れて煮くずれするぐらいやわらかくしています。ほかに天ぷらやゴマみそのおひたし。グラタンに使う人もいるそうです」。包丁を入れると実が崩れるのがカリフラワーの難点だが、「大きく切り分けるのでなければ、手で取ってください。ぽろぽろしませんよ」と教えてくれた。
大宮さんのおすすめレシピは「実家でほかの野菜を使っていたのをアレンジしてみました」というみそマヨネーズあえ。「サクサクしていてブロッコリーよりくせがありません。歯ごたえがいいし、たれなどにもなじみやすいんですよ」。
白いカリフラワーで作ったみそマヨネーズあえをごちそうになった。和洋折衷のみそマヨネーズがよく合う。茎がやわらかくて実が甘い。戻したワカメがアクセントになっている。
畑で収穫前のオレンジブーケを見せていただいた。オレンジ色がとてもきれいだ。卵色、カスタードクリームのようなやまぶき色に近いオレンジと言えば分かるだろうか。
帰宅後、大宮家でも「未食」という貴重なオレンジブーケをみそマヨネーズで食べてみた。色がきれいなこともあるのだろうか。白より甘みがあるようにも思えた。ビタミンCやカリウムをたっぷり含んでいるから、栄養価の面からもぜひ食べたい野菜だ。
「漬物にしたらおいしかったという人もいました」。大宮さんの言葉で以前、訪問先でごちそうになったカリフラワーのカレー酢漬けの記憶がよみがえった。今度はぜひ漬物を作ってみたい。
大宮さんが「食べるのが楽しみ」と話すオレンジブーケは中サイズ180円前後。畑が雪に埋もれるまでふらっとで販売している。
カリフラワー200g、塩わかめ40g、A(みそ50g弱、マヨネーズ少々、はちみつ小さじ1、砂糖40g)
2007年11月24日付紙面掲載