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「紫アスパラ」太くて甘い「優れもの」

このコーナーにアスパラガスが登場するのは2回目。2年前の春、朝取りのグリーンアスパラを食べて、鮮度が味に大きく影響することに驚いた。以来、輸入アスパラは口にしていない。産直施設か農家から直接求めるようになった。編集局のスタッフも同様らしい。今回はまだ目にする機会が少ない紫アスパラを紹介する。

「以前、山居館に持ってきた生産者がいて、それを見ていいなあと思ったんです」。酒田市のみどりの里山居館で紫アスパラを販売している佐藤幸弘さん=藤塚=が栽培を始めたきっかけを話す。

紫アスパラは名前の通り、表面の色が紫色。見たことがない人は、「鮮やかな」ではなく、「赤みがかった」紫色をイメージしてほしい。ルックスではグリーンアスパラに見劣りするかもしれないが、話を聞くうちに「優れもの」と分かった。

太くてたくましい佐藤さんの紫アスパラ

「グリーンより、ビタミンC、アントシアニンは多いようです」。

アントシアニンはポリフェノールの一つ。目の疲労の回復や血液浄化、老化防止などに有効とされる。「グリーンの倍含まれているらしいですよ」という佐藤さんの一言で、紫ファンになってしまった。

「糖度もグリーン以上です」というからうれしい。栄養があり、しかも甘みもあると聞き、食べたいという気持ちが抑えきれなくなってきた。そしてとどめが「生でも食べられますよ」。紫アスパラに早くお目にかかりたい。

佐藤さんの家を訪れるのは2度目だ。以前、父親の幸晴さんが作るブロッコリーを取り上げた。たい肥を惜しげもなくたっぷりと投入したブロッコリーはとても甘く、輸入物とは別の野菜に思えた。

「ハウスに行ってみましょう」と誘われ、車を砂丘地に走らせた。中に入ると紫色のアスパラがニョキニョキという感じで生えていた。親指以上に太いものもたくさんある。肥料の影響だろうかと思い、口にすると「土が見えなくなるぐらいやっています」という答えが返ってきた。

切り取ると、中はグリーンと同じで白い。太いアスパラはおいしそうだが、「山居館のお客さんに『弁当に入らない』と言われました」と苦笑いする。

不思議なことだが、火を入れると紫色は消えてしまうそうだ。ゆでて塩コショウでのバターいため、サラダ油でいためてオイスターソースをからめるといった調理法を教えてもらったが、おもしろいと思ったのが鶏肉との煮物。未知の味が楽しめそうだ。

帰宅後、ゆでた紫アスパラを塩コショウでいためて、グリーンと食べ比べた。確かに甘みは紫に軍配が上がる。太いのに全然硬くない。紫が濃厚、グリーンがあっさりという感じだ。生もさくっとしておいしかった。でも青臭みが苦手という人には合わないかもしれない。

グリーンとの優劣は好みもあり、一概には言えないが、あらためて分かったのは「鮮度が命」ということ。たい肥をたっぷり吸収して育った佐藤さんの朝取り紫アスパラは100グラム150円。酒田市山居町一丁目の山居館=電0234(26)6222=で5月上旬まで販売している。

佐藤さんのおすすめレシピ

紫アスパラと鶏肉の煮物

○材料(4人分)

紫アスパラ200g、鶏モモ肉8~10切れ、煮汁(だし汁2カップ、しょうゆ、みりん各1/4カップ)

○作り方

  1. アスパラの根元の硬い部分を削り、適当な大きさに切り、熱湯に塩を加えてゆでたらざるにあける。
  2. 煮汁の材料を煮立て、鶏肉を入れ、再び煮立ったら弱火にしてアクを取る。
  3. 煮汁が半分になるまで煮て肉を片寄せし、アスパラを加えて煮汁がなくなるまで煮る。

2008年4月19日付紙面掲載

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