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==サケ編(上)==11月11日は「鮭の日」

読者から「秋ザケの季節になりましたが、店頭で売られているサケの切り身が腹としっぽで値段が違うのはなぜですか。しっぽの方が需要が少ないから安いのでしょうか」という質問をいただきました。

サケの切り身の店頭価格を比較すると、普通はしっぽが安く売られているか、同じ値段でしっぽの方が大きくなっているかに分けられると思います。いずれにしてもしっぽの方が安いということでしょう。

マグロの場合、トロと赤身ではトロの方がはるかに値段が高いというように、体の部位で価格が違います。でもこれはあくまで例外です。

庄内浜では定置網漁で秋ザケが水揚げされています

サケは1匹(本)単位で販売されるので、キロ単価に重量をかけ算した値段で取引されます。小売店ではサケ1匹の値段がいくらで、そこから何切れの切り身が取れるかをみて、1切れの価格を割り出しているのだと思います。しっぽが安いのではなく、人気がない、つまり売れないから魚屋さんは安くしているのでしょう。腹の部分は少なからず脂が乗っているのに、しっぽの部分は筋肉で脂があまりありません。でも、しっぽには骨は中骨ぐらいしかないので、子どもたちは食べやすいはずです。

サケの質問がきましたが、11月11日は「鮭の日」です。漢字のつくりの部分を分解すると、十一と十一になるところからきています。1987年に新潟県村上市が制定し、それが全国に広がりました。そして2003年から全国的な「鮭の日」となったのです。村上市は鶴岡と同じ城下町で日本海に面していて、魚もよく食べる土地柄なので、私は親近感を持っています。

前にも説明しましたが、日本は魚食文化によってサケ文化圏とブリ文化圏に分けることができます。われわれが住む東日本はもちろんサケ文化圏です。皆さんはいろんな種類のサケを食べていると思います。今回は秋ザケを中心に調べてみました。

秋ザケの標準和名はシロザケです。庄内ではイオ、北海道ではアキアジと呼び、江差方面ではメジカとも言ったりもするそうです。北海道では9月以降に捕れるシロザケをアキアジ、それ以前のものをトキシラズと呼んで区別しています。皆さんはシャケという言葉をよく使うと思いますが、シャケという魚はいません。一般に塩引きなどに加工したシロザケをシャケと呼んでいるようです。

シロザケは3年から5年、海で過ごした後、産卵のために生まれた川に戻ってきます。近年、資源を増やすため人工的に採卵して、ふ化させてから放流するという事業が北海道、東北で定着してきました。一方で自然採卵のスタイルが残っている地域も北海道や北陸の一部にあるそうです。国内での水揚げは北海道が最も多く、オホーツク海で捕れるサケが最高と言われています。次回もサケについてお話しします。

(鶴岡水産物地方卸売市場手塚商店社長・手塚太一)
2008年11月6日付紙面掲載

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