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意外に美味なシイラ

シイラは見た目が悪いせいか、地元ではあまり人気がありませんがおいしい魚です。1度食べてみてください

読者から「魚屋さんで由良産のシイラという大きな魚を見ました。熱帯系の魚のような外観でしたが、庄内でもよく捕れるのでしょうか。おいしいですか。料理法も教えてください」という質問をいただきました。

シイラはこの辺では由良のほかに鼠ケ関でも水揚げがあり、主に定置網漁やはえ縄漁にかかります。以前から捕れていましたが、地元では食文化が浸透していないこともあり、消費量が少ない魚と言っていいでしょう。そういう意味では、以前に紹介したサワラと似ているかもしれません。でも、サワラは最近、消費が伸びてきています。シイラも外観が「南方系」なので、見た目で毛嫌いする人が多いのかもしれません。浜の市場から築地などに送られているようです。

国内では、中国地方の山間部で好んで食べられ、中にはお盆には欠かせない魚という地域もあるそうです。価格は全国的に安く秋が旬です。鶴岡魚市場の関係者で、魚に名前を付けるのが好きな人は今の時期のシイラを「彼岸シイラ」と呼んでいました。私は先日、久しぶりにシイラを刺し身で食べてみました。今が旬だけに、脂が乗っていてくせもなく、とてもおいしかったです。頭が大きくてひょろりとした外観なので手を出しにくい魚かもしれませんが、皆さんも先入観なしで食べたらとてもおいしく感じることでしょう。ムニエルやフライなど洋食系の食べ方が合うようです。

シイラは、魚体が1メートルほどと大きいため、1匹単位では売りにくく、小売店では切り身にして並べられているようです。わたしは20歳のころ、小笠原諸島の父島に行ったことがあります。食堂で「島ずし」というのを頼んだら、しょうゆに漬けた「漬け」のシイラのにぎりが10貫出てきたのを覚えています。値段は800円だったと思います。それが昼食で、宿の夜ご飯にはシイラのフライが出てきました。ハワイではマヒマヒと呼ばれ、人気が高い魚のようです。

(鶴岡水産物地方卸売市場手塚商店社長・手塚太一)
2010年10月14日付紙面掲載

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