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カマスは干物が最高

読者から「私は九州出身ですが、九州ではカマスの干物をよく食べました。庄内であまり見ませんが、捕れないのでしょうか」「スーパーにスルメイカが並んでいます。スルメイカとヤリイカ以外に庄内浜で捕れるイカと旬の時期を教えてください」という2つの質問をいただきました。

最初の質問にお答えします。カマスは庄内でも若干は捕れます。以前に八角を紹介しましたが、同じように箱単位で市場に揚がることはありません。白身の魚ですから刺し身でも召し上がることができます。塩振り焼きにしてもおいしい魚です。日本で捕れるカマスの大半をアカカマスとヤマトカマスの2種類が占めています。カマスは口が大きくて、魚食性の強い肉食魚です。

九州ではかなり捕れます。水揚げが多いので加工もするということでしょう。主に干物にして食べられているそうです。本によると、カマスは干物にするために生まれてきた魚とも言われているそうです。カマスの身は水分を多く含んでいます。干物にすることで余分な水分が飛び、うまみの成分が凝縮されるので、一番おいしい食べ方と言えるのでしょう。夏の終わりから秋口が旬です。

イカの話に移ります。スルメイカは5月後半から漁が本格化しました。依然として浜値は高めです。ご存じのように夏イカとも呼ばれます。旬が夏というイカの代表選手です。これに対してヤリイカは冬が旬です。東日本ではこの2種類のイカが水揚げ、消費量とも1、2位を占めているのではないでしょうか。  庄内浜でそれ以外に捕れるイカにアオリイカがあります。庄内では秋が旬です。ほかに少しずつ揚がるイカとしてコウイカ、アカイカ、タルイカなどがありますが、アオリイカ以外は店頭に並ぶことはまずありません。

ちょっと前になりますが、大山犬まつりについてお話したいと思います。犬まつりではいろんなお魚の注文を受けます。中にはどんな食べ方をするのだろうというものもあります。神宿(頭屋)での神事の際や振る舞いで使う魚に特殊なものがあるようです。

浜焼きと言われる神事があるそうです。大きなマスを頭が付いたままふかして神棚に上げてから、皿鉢(さはち)という大きな皿に取り、あんをかけてショウガを載せます。それを太夫さまが柳箸という長い箸で取り分け、参加者に振る舞うのだそうです。珍しい料理でギバソ(ギバサ)のからしあえ、グミ貝(グミケ)のみそ汁、イワシの塩振り焼きが振る舞われるそうで、特に女性の方には姉様ぶるまいと言って、かきみ汁というのも出るそうです。汁の具はワラビとコモドウフ。コモドウフというのは、豆腐にすだれを巻いてゆでてからスライスするものです。つまり、すだれのぎざぎざ模様の付いた豆腐が具として入ることになります。地元の方に誘われましたが、今年は見に行けませんでした。来年こそはと思っています。

庄内浜でもカマスは少しですが捕れます。干物にすると最高です

庄内浜でイワガキ漁が解禁されました。イワガキのほとんどは磯見漁と潜水漁で捕れます。まだ小型のものが大半で、大きいのは少し価格も高いです。定置網漁では一時期、アジが大漁でしたが、山は越えました。イナダは好調です。コダイなどの焼き物は少なく、刺し身用のタイがたくさん捕れています。ヒラメも豊漁なので、白身魚の相場が下がっています。この機会に白身の刺し身をどんどん召し上がってほしいと思います。

(鶴岡水産物地方卸売市場手塚商店専務・手塚太一)
2007年6月13日付紙面掲載

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