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今食べたいアマダイ

今回は「料理屋さんでメダイという魚の刺し身を食べました。とてもおいしいと思ったのですが、名前を聞いたのも初めてでした。メダイについて教えてください」「知人にアカラという魚をもらいました。どのように料理して食べるのがいいでしょうか」という2つの質問を読者からいただきました。

メダイは元々、伊豆など南の方の魚と言われていましたが、近年はこの辺でも捕れるようになりました。北海道でも揚がると聞いています。庄内浜では、はえ縄漁、もしくは定置網漁にかかります。地物のメダイには、8月から9月にかけてと、2月から3月ごろの2度の旬があります。捕れる時期でこれほど脂の乗りに違いが出る魚は珍しいです。

メダイの旬は各地で違うようです。山陰地方では4月ごろがおいしいと言われています。太平洋、日本海どちらでも捕れます。季節で大きく味が変わるため一般論になりますが、日本海側の方が脂の乗りがよく、おいしいようです。でも、今の時期はあまり出回っていません。

食べ方について説明しましょう。メダイは白身魚なので、煮る、焼く、刺し身となんでもできます。小骨もなく、食べやすいため、切り身で売られています。一般的に焼き物は照り焼き風になり、脂が乗っていれば煮物にしてもいいようです。刺し身は、カツオのように外側をあぶり、タタキにしてもおいしく食べられます。最近は皆さんの口に入る機会も増えています。価格も安く、病院食や学校の食堂などで食べているケースが多いのではないでしょうか。白身ですから体にもいいし、好き嫌いが分かれず、だれにでも好まれる魚だと思います。質問をくださった方が食べたのは、今の時期においしい地域で捕れたものではないでしょうか。メダイは今後、皆さんの口にもっと入るようになると思います。

次はアカラの話です。アカラは北海道から能登半島あたりまで捕れます。この辺では主に鼠ケ関で底引き網にかかります。秋田の一部では、はえ縄と底引き網で水揚げされます。本来の旬は今の時期ですが、底引き網が休漁期ですから、食べるなら刺し網にかかった北海道産になります。ただし北海道は今、旬の時期からははずれています。

鶴岡や秋田の一部地域ではアカラと呼びますが、秋田や青森ではヤナギノマイ(柳の舞)と言います。地域でいろいろな呼び名があり、石川はヤナギバチメ、北海道の小樽周辺は大羽(オオバ)、そして標準和名はヤナギメバルです。北海道ではタイが捕れないので、キンキがおめでたい魚とされています。色からくるものでしょう。東北でおめでたい魚と言えばタイが主流ですが、秋田の一部ではアカラで代用しているところがあるようです。オレンジを帯びた色がきれいだからでしょう。

アカラの料理は、煮付け、塩ふり焼きが定番ですが、旬の時期で鮮度がよいものは刺し身でもいけます。かなりおいしいです。秋ならすり身にして鍋物に入れてもいいようです。

庄内浜で今おいしいのはアマダイです。ぜひ食べてみてください

庄内浜で今の時期に捕れる魚で、ぜひ召し上がってほしいのはアマダイです。大きいサイズだと、高級な旅館などでは刺し身にして出します。身が軟らかいのでコブ締めにすることが多いようです。刺し身やにぎりずしは最高です。鶴岡ではみそ漬けにもします。皿づけサイズと呼ぶ200gの小型のものを一匹丸ごとみそに漬けて贈答品にする人もいます。ほかにはいったん塩をふり、身を締めてから蒸し物、バター焼きにしてもおいしいそうです。アマダイは主にごち網漁で捕れます。

貝類のシーズン真っ盛りです。サザエはつぼ焼きという方が多いでしょうが、一度ゆでると殻から身を取り出しやすいのです。サラダのトッピングにしてみてはどうでしょう。磯の香りが漂うサラダになります。海藻もモズク、エゲシなど豊富な時期です。毎食、一品は海のものを取れば、健康な食生活になると思います。

(鶴岡水産物地方卸売市場手塚商店専務・手塚太一)
2007年7月15日付紙面掲載

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