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「大根」生食で甘み楽しむ

「大根は珍しいものでもないし、取材に来てもらうなんて」。遊佐町の道の駅「ふらっと」に出荷している加藤ちゑさん=服部興野=が謙遜する。大根とはちょっと地味な素材ではないか。こう思う読者もいるかもしれないが、加藤さんの無農薬栽培の大根はとてもおいしい。紹介する価値は十分にある。

「この辺で『休み大根』と呼ぶ越冬用大根が切れる4月に収穫できないかと思って、収穫時期から逆算して5年ほど前にハウスで栽培を始めたんです」。

大根と言えば、強風が吹き付ける秋から初冬にかけて、砂丘地にカーテン状に並ぶ光景を思い浮かべる。ハウスで作るというのは初耳だ。

露地物であっても、加藤さんの大根は、葉の付いたものを買いたい

「ハウス栽培は、温度管理が難しい。結構苦労しています。でも、食べたい時期にぶつかるのか、お客さんにとても喜ばれています。だからやめられないんです」。加藤さんの大根は大型連休前後には1日50~60本を限定販売し、完売する人気だ。

人気の秘密は安全性に加え、味の良さにある。「天宝という品種です。種は青首大根の倍ぐらいの値段がします。甘みがあり、歯触りがいいです。サラダや大根おろしなど生で食べてほしいです」と話す。

加藤さんは、葉を切り落とさずに大根を販売している。「軟らかいので食べられます。(葉を)『切ってください』というお客さんがいますが、横から『私がもらう』という人が出てきます」と笑う。先週から露地物に切り替わった。やはり無農薬栽培だ。「葉は少し堅くなりましたが、大根そのものの味は一緒です」と太鼓判を押す。

取材に明るい笑顔で答えてくれた加藤さんだが、質問が料理法に及ぶと「娘に任せているので…」と急に歯切れが悪くなった。それでも「漬け物より生食、葉っぱはちくわなどとけんちんにしてみてください」と「加藤家の味」を教えてくれた。

やりとりを見守っていたふらっとのスタッフから助け船が出た。「隣の魚の産直の人たちは、葉は塩でもんでご飯と混ぜておにぎりにして食べているよ」。この言葉を聞いて「ごくり」とのどが鳴った。

おみやげに大根と昨年のこのコーナーで紹介したイボイボのないキュウリ「フリーダム」をいただいた。帰宅後、スティックサラダにして食べた。「甘くて味が濃い」と評判は上々だった。

次に薄切りにしたフリーダムとちくわをしょうゆとごま油、みりんで中華風に味付けし、短冊切りにした大根と下処理した孟宗のスライスを加えてみた。子供が「これ、大根入ってる?」と聞きながら次々と口に入れていく。

翌朝は大根をすり下ろして納豆に入れた。なるほど辛みが全くない。「物足りない」という人もいるかもしれない。ビタミンCやカロテンをたっぷり含んだ大根の葉はけんちんにした。少し「節っぽさ」はあったが、予想したほどではなかった。今度は「大根飯」のおにぎりをぜひ食べてみたい。

加藤さんのおすすめレシピ

大根とキュウリのサラダ

○材料

大根1本700g、キュウリ1本、レタス半個、塩大さじ2、マヨネーズ

○作り方

  1. 大根とキュウリを短冊切り、レタスを適当な大きさに切る。
  2. 切った大根を塩もみして水を切る。
  3. 2にキュウリとレタス、ツナ缶を混ぜて、マヨネーズであえる。お好みのドレッシングを入れてもよい。

2008年5月31日付紙面掲載

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