今回はカラシナを取り上げる。オーソドックスな緑色ではなく、色が赤い珍しいカラシナだ。ほかの野菜と組み合わせ、サラダ用に販売しているので、「生野菜が食べたい」という方におすすめしたい。
「4年ほど前、東京で暮らしていた息子が『向こうではカットしてほかの野菜と一緒に売っているよ』とアドバイスしてくれたのがきっかけです」。酒田市平田地域のめんたま畑で、赤カラシナを主役にしたサラダミックスを販売している多田美紀さん=新山=が「商品開発」のきっかけを語った。
多田さんのサラダミックスには少ないときでも5種類の生食用野菜が入っている。すべて無農薬栽培だから食べる側も安心。安全で安心、しかも新鮮なので「出せばたいがい売り切れます」というのもうなずける。赤カラシナ以外の野菜は「普通のカラシナとルッコラ(エジプト菜)、緑と赤のレタス、ラディッシュ、白カブなどです。その時にある野菜を入れています」と多彩な顔ぶれ。
ハウスの中に赤紫色の野菜が並んでいる。「これが赤カラシナです。こうやって採って食べています」と多田さんが手で茎をつみ取る。「少し辛いですよ」。まねをして赤カラシナを口に入れる。しゃきっとしておいしいと思っていると「ツーン」という辛みが広がった。「後から辛みが来るでしょ」と言われうなずく。茎は緑色で葉っぱが赤く、赤ジソに似た色だ。
赤カラシナの隣に葉がギザギザしている黄緑色の野菜が植えてある。水菜かと思ったら「そちらは緑のカラシナです。『水菜だがー』とよく言われます」と笑った。
めんたま畑で見たサラダミックスにはタカノツメが1本入っていた。「何に使うのだろう」と尋ねると、「聞かれると思いました」と教えてくれたのがおすすめレシピ。「ドレッシングを作ったらこうしてさくっと交ぜます」と両手で野菜をもむ仕草をする。「分量は好みで調整してください。わたしはすっぱいのが好きななので酢を多めに入れます」。
帰宅後、いただいたサラダミックスでドレッシングあえを作った。生野菜にはやはり肉だろうと、焼き肉とのセットにしてみた。ただし、経済環境が整わなかったので使う肉は牛ではなく豚。「うちではわしづかみでどさっと盛ります」という多田さんにならって大盛りにした。
肉の後で口に入れる。しゃきしゃきしておいしい。ドレッシングが入ると辛みも気にならない。体の中が洗われるような感じだ。子どもも「おかわり」していたのはおいしさの証明だろう。栄養バランスの面からも肉を食べるときには添えたいと思った。
めんたま畑の多田さんのコーナーには「バラエティーに富んだ生で食べる野菜です ハムやベーコン…お好きなアレンジで」と書かれている。1袋250グラムで100円と低価格。「わたしはおおざっぱなので目分量で入れています。ぎゅーっと詰めます」。400グラムぐらい入っているものもあるそうだ。
冬場限定の赤カラシナが入った多田さんのサラダミックスは3月ごろまで酒田市飛鳥のめんたま畑=電0234(61)7200=で販売している。
サラダミックス、サラダ油、しょうゆ、酢、粉末バジル、ゴマ油
2009年2月21日付紙面掲載