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「クルミ」山菜・野菜の強い味方

今回の素材は、これからの季節に重宝しそうな「脇役」だ。山菜類をはじめとした野菜のあえ物を作る際、強い味方になってくれるクルミを紹介する。

「秋に実が落ちると、カラスと競争しながら拾っています」。鶴岡市藤島地域の四季の里「楽々(らら)」でクルミとクルミを使った手作り菓子を販売している古野和子さん=松ケ岡=が話す。

クルミには在来の山グルミ(オニグルミ)と海外から入ってきた西洋クルミがあるのだそうだ。「山グルミは殻が固いため、火であぶらないと割れませんが、西洋クルミは生のままペンチでつぶしても、包丁のみねでたたいても大丈夫。だからカラスがコンクリート面に落としたり、道に置いて車にひかせるわけです。カラスって頭がいいんです」と笑う。

クルミを使った手作りお菓子も販売している

古野家には両方のクルミの木がある。「山グルミは何年でももちますが、西洋クルミは梅雨を越すと虫が付くので、その前に売り切るようにしています」。今は西洋クルミに軸足を置いて販売している。

両者は見た目も違うのだろうか。古野さんがテーブルに2種のクルミを並べた。山グルミの方が茶色が濃い。黒っぽい感じで、素人でも簡単に見分けられる。

お味の方は「山グルミの方が香ばしい」と違いはあるようだが、「でも、殻から外した西洋クルミを電子レンジで温めるといいですよ」。古野さんがビニールに入れた西洋クルミを「チン」して持ってきてくれた。食べ比べても山グルミとあまり変わらない。香ばしさが増し、ビールが欲しくなる。「冷凍しておけばいつでも使えて便利です」。

料理法は「あえ物や豆腐を使った切りあえ」を挙げてくれたが、「ゴマの代わりにクルミを使うクルミ豆腐もおいしいですよ」と話す。おすすめレシピを見て分かる通り、それほど難しくなさそうだ。「作りたてを味わうと、買ったものは食べられません」というからぜひ挑戦したい。

自前の工房を持つ古野さんは、クルミを入れたくぢら餅、おこし、クッキーも製造、販売している。クルミにはコレステロールを取り除くリノール酸や疲労回復につながるアルギニンなども含まれているので、料理は面倒という人には手作りお菓子もおすすめだ。

昨年3月、このコーナーで取り上げた野ニンジンをクルミあえにしたらとてもおいしかった。ウルイやウド、コゴミなどこれからの季節は使う機会が多くなりそう。「山菜が出てくると売れます」というのもうなずける。

おもしろいと思ったのが温海地域のクルミの使い方。少量の水を加えてつぶし、白いクリーム状にしたクルミが手打ちそばのたれやヤマイモのとろろに入っていた。こんな楽しみ方もいいかもしれない。

古野さんのクルミは殻付きが300グラム、300円、殻からはずしたむきクルミは40グラム、120円。鶴岡市藤浪二丁目の四季の里「楽々」=電0235(78)2520=と同市松ケ岡の直売所ひょうたんで販売している。

古野さんのおすすめレシピ

クルミ豆腐

○材料

むきクルミ1カップ、かたくり粉1カップ、水6カップ、くずあん (水2カップ、砂糖大さじ12、酒大さじ6、しょうゆ大さじ6、か  たくり粉大さじ3―4)

○作り方

  1. クルミをすり鉢でよくするか、ミキサーにかけて分量の一部の水を加え、よくすりつぶす。
  2. 残った水を鍋に入れ、1をさらしの布袋に入れてよくこす。こしたものにかたくり粉を入れ、よく混ぜ合わせてから火にかける。大きめの木べらで透明感が出るまで練り上げる。
  3. あんは分量の材料を全部混ぜ合わせてから火にかけ、透明感が出るまで十分に練る。火を止めてからも少し練るとおいしい。
  4. 2を水でぬらしておいた流し箱に流し込む。冷めたら型から取り出し、からしじょうゆかくずあんをかけて食べる。

2009年3月14日付紙面掲載

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