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「キクラゲ」肉厚で食感も抜群

今回は、庄内でも近年、栽培農家が増えてきたキクラゲを取り上げる。中華料理で干したキクラゲを戻して食べる機会はたくさんあっても、生食は経験がないという人が多いかもしれない。「今年は京阪神の生協から引き合いがあり、1日何十キロという単位で送ったんです。ところが、生のキクラゲはなじみがないせいか全く売れなかった。『干してくれ』と言われ、家の周りで天日干しにしています」。酒田市の産直たわわでキクラゲを販売している池田城(しろ)さん=泥沢=が笑う。

通年栽培しているナメコの消費量が落ちる夏場のキノコとしてキクラゲの可能性に着目。5年ほど前に菌床栽培をスタートさせた。「小屋はナメコでいっぱいなので、露地で栽培。ビニール袋に入った何万個という菌床ブロックが家の外に転がってます。それに朝昼晩と毎日3回、水をやるのが大変。無農薬で頑張っています」と流れる汗をぬぐった。

見た目は耳のような形をしている生キクラゲ

自宅周辺に無造作に置かれた菌床ブロックから焦げ茶色のキクラゲが顔をのぞかせている。漢字で「木耳」と書くそうだが、確かに耳のような形だ。「生のキクラゲを初めて食べた人は食感の違いにびっくりすると思います。中国産の干した物に比べて肉厚です」。

生のキクラゲをどう料理するか。「5分ほどゆでて酢の物やからしあえにすると食感の違いが分かります。生のまま野菜などといためて、八宝菜や五目焼きそばにするのもいいです。とろみをつけるとおいしいですよ」と教えてくれた。

自宅には干し終えたキクラゲが山積みされていた。「こだわりの天日干し。ビタミンDがたっぷりです。干して1年もたてば、食感も失われますが、今なら生と変わりません」と胸を張る。水にさらして戻す時間は、夏場は2~3時間、冬は3~4時間が目安だそうだ。

頂いた生キクラゲを5分ほどゆでて、からしじょうゆで食べてみた。コリコリとしていてサクッという食感が心地よい。干した輸入品とは全く別物だ。大げさな言い方をすれば、キクラゲに対する概念が変わるだろう。しょうゆ味の即席ラーメンにも入れてみたが、なかなかに美味だった。ただ、キクラゲ自体に味がないので、みそラーメンやタンタンめんなど味が濃いスープの方が合うかもしれない。

生キクラゲを肉と葉野菜と一緒にいためてみた。生キクラゲ独特の食感は健在だった。ゆで時間は5分と長めだったので、時間がかかるかと思ったが、いためる場合は予想より火が通るのが早かった。次回への教訓としたい。

「酒田産にこだわり、全国に発信したい」と池田さんが意気込むキクラゲは生(9月末まで)が150グラム入って200円、「水で戻すと10倍に膨らむ」という干しキクラゲ(通年)が20グラムで300円。酒田市法連寺の産直たわわ=電0234(61)1601=で販売している。

池田さんのおすすめレシピ

キクラゲの甘酢漬け

○材料

キクラゲ150グラム、キュウリ1本、春雨150グラム、砂糖 大さじ2、めんつゆ大さじ2、酢大さじ1、塩少々

○作り方

  1. キュウリは輪切りにして塩もみ。春雨は硬めにゆでる。
  2. キクラゲを5分ゆでて水にさらす。
  3. 各調味料と1、2を交ぜ合わせて出来上がり。

2010年9月4日付紙面掲載

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