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「そば菜」動脈硬化防ぐ新芽野菜

「庄内では珍しい野菜なので、お客さんに『料理法とか書いたのないの』と言われ、今年から置くようにしました」。酒田市八幡地区の産直「たわわ」でそば菜を販売している兵藤昌一さん=泥沢=はこう言って頭をかいた。

そば菜はソバの実を発芽させたもので、種をまいてから1週間ほどで収穫できる。モヤシやカイワレ大根と同じスプラウト(新芽)野菜で、血管の弾力性を高め、動脈硬化を予防するルチンがそば粉の2倍含まれているとされる。

兵藤さんは10年以上前、テレビ番組でそば菜の存在を知った。「ソバは野菜としても食べられるんだ」と思い、自家用に栽培を始めた。旧八幡町の温泉入浴施設「ゆりんこ」駐車場に定期的に開設された青空市にも「おすそ分け程度」を出していたが、たわわオープン後に販売を本格化させた。

そば菜用に15平方メートルの畑を3枚使い、ローテーションで回す。種まきから収穫開始まで1週間、収穫期間も1週間。収穫を終えたら次の種をまくまで休ませるという形だ。短期間での勝負だから除草の手間もなく、完全無農薬栽培。種も自前で賄え、コストも削減できる。大量生産には向かないが、直売所出荷ならではの「こだわりの野菜」と言える。

採算度外視で栽培する理由を尋ねると「村山や最上ではそば菜を栽培している。近くの湯ノ台、大台野で今、そば打ちに力を入れており、そば菜の存在も庄内の人に知ってほしかった」と話す。

兵藤さんは惚れ込んだ素材に入れあげるタイプだ。旧八幡町時代、まちづくりグループの研修で沖縄・東村を訪れた。地元の農家と交流が広がり、東村の産物に着目。「八幡の人に知ってもらいたい」とパイナップルやマンゴー、ゴーヤ、ウコンの粉、ハーブティーなどを自前で取り寄せ、たわわで販売している。

庄内ではほとんど栽培されていないそば菜。茎が赤く、見た目も美しい

こちらも採算度外視。「フルーツ類は傷んで赤字になることもあります」と笑う。ゴーヤは「植えてみたら実がなった。それから栽培も始めた」。ゴーヤ栽培の先駆けになった。

収穫したばかりのそば菜を見せてもらった。丈は20cmほどで茎は赤く細い。確かにカイワレ大根を思わせる「ルックス」だ。「サラダなど生食、豆腐と一緒にみそ汁に入れてもいい、焼き肉の付け合わせにも向く。見栄えがするし、くせがないので何にでも合う」と話す。

兵藤さんのおすすめレシピはからしみそマヨネーズ和え。帰宅後、生とみそ汁に入れて食べてみた。ヘルシーな感じで食も進んだ。焼き肉の時に巻いて食べたら肉の味も引き立つのではと思った。

「無農薬にこだわる人には比較的知られているようです。メジャーな作物になってくれれば」と兵藤さんが熱望するそば菜。たわわで1束70円で10月まで販売している。

兵藤さんのおすすめレシピ

そば菜のからしマヨネーズあえ

○材料

そば菜1束、マヨネーズ適宜、練りがらし少々、砂糖少々

○作り方

  1. そば菜をさっとゆで、適当な大きさに切る。
  2. マヨネーズ、練りがらし、みそを混ぜる。好みで砂糖を加える。
  3. ゆでたそば菜とあえる。

2006年9月9日付紙面掲載

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