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「ブロッコリー」たい肥使い甘み十分

「たい肥をたっぷり使っているから茎(の太さ)もこれほどあるんだよ」。酒田市の「みどりの里山居館」でブロッコリーを販売している佐藤幸晴さんは親指と人差し指で大きな丸を作り、誇らしげに語った。

佐藤さんのブロッコリー栽培歴は30年余りと長い。野菜作りが盛んな酒田市北部の西荒瀬地区でも先駆け的存在だ。6年ほど前からは転作田も活用、総面積は70アールに達する。10アール当たり3000株だから、2万株以上が植えてある計算になる。

「今の若い人は、野菜はゆでてマヨネーズやドレッシングで食べる簡単な料理法を好む。どうせなら茎まで食べてほしいから、茎を長くして出荷している」と笑った。

ブロッコリーは、レモンの2倍のビタミンCを含み、カロテンやカリウム、カルシウムも豊富。風邪の予防にも最適なこれからの季節に欠かせない野菜だ。

3月に種をまき、5月下旬から収穫する春型と、7月にまき、9月下旬から収穫する秋型のタイプを露地栽培している。たっぷりたい肥を投入し土で育てたブロッコリーを朝6時に収穫し、コンテナ箱に入れて直売所や市内のスーパーに出荷する。

「露が残っているうちに取るからしなびることがない。たい肥だから甘みがある。自信を持って出している。アメリカなどの輸入品や県外産には負けない」と胸を張った。

佐藤さんの畑に連れて行ってもらった。ブロッコリーの葉と茎は緑色が濃い。土の力だろうか。「今朝、取ったばかりだから、収穫できるものはないけど」。葉を開いて食用となる「花」の部分を見せてもらった。ギューッと栄養分が詰まった感じがする。

新鮮でおいしいブロッコリーの見分け方を尋ねると、「茎の切り口がみずみずしいことと、花が硬いこと。古いのは軟らかい。緑色が濃くて、あまり花が開いていないもの、持ち上げて重量感があるものを選んで」という答えが返ってきた。

佐藤家では、朝取りのブロッコリーをシチューやカレーにも使う。奥さんの章子さんは「軟らかいので、下ゆでしないで生のまま入れています」と話す。天ぷらも生のまま揚げるのだという。

佐藤さんのブロッコリー畑。緑色が濃いのが特徴

章子さんのおすすめレシピは茎を使ったきんぴら。「新鮮だから皮をむかなくても大丈夫ですよ」。丹精込めて育てた野菜を大事に使う農家ならではの知恵なのかもしれない。

帰りに直売所に寄り、佐藤さんのブロッコリーを購入した。「佐藤さん自慢の野菜だよ」とスタッフが教えてくれた。ゆでて食べたら甘味がじわりと口の中に広がり、輸入品とまるで違う野菜に思えた。

山居館のほか「さかた海鮮市場」内の海の八百屋、中町一丁目のヨッテーネでも10月下旬まで1個120円で販売している。

佐藤さんのおすすめレシピ

ブロッコリーのきんぴら

○材料(4人分)

ブロッコリーの茎、ゴボウ、ニンジン、糸こんにゃく、酒、しょうゆ、みりん

○作り方

  1. ブロッコリーの茎を皮の部分を含めて短冊切りにする。
  2. ニンジンとゴボウをきんぴら用に切る。
  3. 糸こんにゃくを湯通ししておく。
  4. 油でいためて好みで味付けする。

2006年10月21日付紙面掲載

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