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めんつゆに「海そうめん」

読者から「先日、魚屋さんで由良産の海そうめんを買いました。モズクとはまたちょっと違った味でおいしかったのですが、昔から庄内にあったのですか」という質問をいただきました。

調べてみたら海そうめんの標準和名は「うみぞうめん」でした。縄のりという地方名もあるようです。北海道から九州沿岸にかけて分布しています。モズクの仲間としては、庄内では3月から4月にかけて花モズクというのが出て、6、7月はうみぞうめん、今の時期はモズクと変わっていきます。この3つは、いずれも緑色の糸状で粘りけがあり、見た目は似ています。でも種類は違っていて、採れる時期も少しずつずれています。この中で最も有名なものがモズクで、大半の方は召し上がったことがあると思います。

花モズク、うみぞうめん、モズクは、生の状態ならそれぞれの違いが分かりますが、熱湯をかけると判別しにくくなります。お店で売っている状態だと、皆さんは花モズクとモズクの方が水分が少ないように感じるでしょう。うみぞうめんを見たら「このモズク、湿っている」と思うかもしれません。

写真はモズクです。今の時期は海そうめんはなかなかありません

うみぞうめんは最初、茶色っぽいのですが、熱を加えると緑色になります。長さは5~20センチぐらいで、太さは2ミリほどですから、モズクより少し太めかもしれません。乾燥に強いのが特徴です。岩に生えていて、潮が干いて海水面が下がり空気に触れると、いったん干からびてしまいます。ところが、潮が満ちるとよみがえり、再び海中を漂います。

料理をする際に気を付けなければならないのは、花モズクやモズクと違い、お湯に重曹を入れるという点です。そうしないと、きれいな緑色になりません。10年ほど前は「海そうめんて何」「モズクでもないし、何だろう」という程度の認識しかありませんでしたが、最近では価格も上がり、生モズクと変わらないほどの値段になってしまいました。

庄内で大量に採れるものではないので、「あら珍しい、海そうめんだ」と思う人も多いでしょう。一般的には吸い物やみそ汁のほか、刺し身のつまにも使います。近年、広まっている食べ方はそうめんのつゆに入れるという方法です。ぜひ一度試してみてください。

(鶴岡水産物地方卸売市場手塚商店社長・手塚太一)
2008年8月7日付紙面掲載

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