読者から「家庭でも簡単にできるコダイのみそかす漬けのおいしい作り方を教えてください」という質問をいただきました。
コダイのみそかす漬けは、私どもの工場でも作っています。でも、こだわりだすと切りがありません。家庭の味もあると思うので、ここでは基本的なことをお教えします。後は「さじ加減」でおいしくしてください。
最初にコダイのうろこを取り、えらを外して内臓を取り出します。水洗いしてキッチンペーパーやタオルで水分を取ってください。向かって左側に頭を置き、上から塩を振ります。目の部分にも塩は振ってください。腐敗しやすいからです。1、2時間ほど冷蔵庫に入れておいて、塩がなじんだら、裏返して逆の面に塩を振り、さらに1、2時間、冷蔵庫に入れます。その後、また裏返して、最初のように頭を左にしたところで一昼夜、冷蔵庫で保存します。
次の朝、ガーゼか丈夫なキッチンペーパーでコダイをくるんで、その上から表と裏にみそかすを塗ってください。みそと酒かすの比率はお好みですが、酒かすと砂糖を多めにするのがコツだと思います。塗ってから3日目ぐらいからが食べごろになります。なぜ、ガーゼやキッチンペーパーを使うかというと、みそと酒かすをより身に浸透させるためと、焼くときに身を洗わなくともいいからです。水で洗うとタイの味も薄くなり、うまみが多少落ちるのです。
数回、練習をしているうちに、各家庭でお好みの分量を見つけてください。今の季節のコダイは脂が乗っていて旬です。タイコは避けてください。年末なら逆です。念のためおさらいしておきます。コダイはチダイの子、タイコはタイの子で、違う種類です。
読者から「サバは庄内浜でも水揚げされますか。捕れるとしたらおいしいのでしょうか。刺し身にもできますか」という質問が寄せられました。以前にも説明していますが、簡単に復習してみましょう。
庄内ではサバの旬は冬になります。サバはマサバとゴマサバの2種類に分かれます。マサバは冬、ゴマサバは夏に旬を迎えます。庄内では定置網漁かはえ縄漁で水揚げされた冬のマサバが最高と言われています。
庄内浜では昔、あまりサバが捕れなかったと言います。水揚げ量も少ないため、しめさばは食べても、刺し身にするという習慣はなかったのでしょう。サバは国内ではかなり漁獲量がある魚です。九州では昔からかなり捕れたので、しめないで刺し身にして食べていました。
サバは食あたりしやすいので、生食はあまりお薦めできません。生に近い食感を味わいたいという場合、前にもお話ししたようにしめさばがお薦めです。
殺菌するためにサバの身に塩を振ります。塩を振ってから5時間ぐらいおいてください。酢につけるのは30分から1時間ぐらいです。より生に近い味を楽しみたいなら、酢につける時間を短くしてください。酢は味付けと考えてもらっていいと思います。
(鶴岡水産物地方卸売市場手塚商店社長・手塚太一)
2008年8月19日付紙面掲載