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見分け方は目の位置 ヒラメ編(上)

前回、お知らせしたように、今回は今の時期におすすめの庄内浜の魚を取り上げたいと思います。それは何かというとヒラメです。これまでも何度か話題にしましたが、2回に分けてヒラメの魅力を紹介します。

本題に入る前にカマスについても触れてみます。前に取り上げましたね。庄内浜ではあまり量は捕れません。でも今の時期は太っていて大きいものがたまに揚がります。脂が乗っていてとてもおいしいのです。でも数が少ないため、店頭で求めるのは難しいかもしれません。

冬の庄内浜はしけの日があり、船が漁に出られない日も多いのです。先週は、底引き網船など沖合で操業する漁船は定置網を除きほとんど出ることができませんでした。底引き網船は出漁しないとエビ、ハタハタ、クチボソはもちろん、タラなども捕れません。つまり季節の食材の主たるものがほとんどないという状況になります。一方、定置網漁では今、サケやイナダ、アオリイカ、サワラなどがかかります。このような魚はうみがしけていても見えたりします。

先週の場合は、他県から搬入された魚が大半を占めました。こういったしけの中で、カマスのほかにヤリイカが捕れ始めました。小型サイズが主で、刺し身にできる魚体のものはまだ少ないです。とても軟らかいので、大根と煮付ければおいしいし、楽しめると思います。

しけの多い冬にさしかかった時期でも水揚げがあり、最近目立って漁獲が増えたのがヒラメです。庄内では定置網、または底引き網漁で揚がります。他県に目を向けると、漁獲量が目立って多いのが青森で、大部分は定置網で捕れます。

1~2月のヒラメを寒ヒラメと言うように、ヒラメは今からおいしくなります。この時期に捕れるヒラメを庄内では「サケビラメ」と呼んでいます。サケが捕れる時期のヒラメはおいしいというところから付いた呼び名です。漁師の方に聞くと、昔から言われていたそうです。

あまり見る機会がないかもしれませんが、茶色の部分を上にしてみました。左ヒラメと言うように目が左にあります

ヒラメの見分け方として一般に使われる表現が「左ヒラメに右カレイ」です。目の位置を指す言葉で、目がある茶色の部分を表にして、背びれを上、腹びれを下にした場合、目が左に付いているのがヒラメです。これに対して、ヌマガレイなどの例外を除き、カレイの大変は右に目があります。

ヒラメの名は、見ての通り平べったり体つきと表側に2つの目が並んでいることから付いたそうです。生まれた時は左右に1個ずつ目があり、ふ化後、2週間か1カ月ぐらいで目の移動が始まるそうです。ヒラメは砂地に耳を隠して、近寄ってきた小型の魚をひと飲みにします。これをヒラメの「居食(いぐ)い」と言います。

(鶴岡水産物地方卸売市場手塚商店専務・手塚太一)
2007年11月29日付紙面掲載

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