学習活動
1 対象 | |
3年生 1クラス 41名 |
2 時期 | |
3学期 (就職希望者はほぼ全員内定し、進学希望者も約8割が決定していた) |
3 学習過程 | |
6時間 | |
個人読書と記録
毎時約40分、作品を読む
終了直前5分間、記録をとる |
3時間 | |
感想文作成 |
1時間 | |
作品のテーマを中心とした指導
記録・感想文をめぐる指導 |
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4 評価 | |
3学期の評価に組み入れるため、ABCのランクを設け、下限を50点とした。(長編の作品を読み終えることが大きな目的なので、そのような評価の方法をとった) |
生徒の記録(例)
個人読書6単位時間中、毎時5分間をとり
(1) 作者・藤沢周平について
(2) 『蝉しぐれ』の背景について
(3) 描かれている主な出来事
(4) 特に印象に残るシーン(セリフ・心理・風景描写など)
の4項目について記録させたものの例である。(1)及び(2)は、教師の説明を聞いてまとめさせ、(3)及び(4)は、個別に記録させた。読み方や名前に少々の間違いはあったが、気付いたときに訂正してやることにし、あまり細々とした注意は与えないで各自の進度を見守った。
◇作者 藤沢周平について
- 本名 小菅留治(1927-1997)
- 略歴 鶴岡市大字高坂に生まれる。
湯田川中学校で2年間教師を勤めたが、肺結核のため休職。治療のため上京。業界新聞の編集長などをした後、小説を書き始め、46歳で直木賞を受賞。時代小説作家となる。
◇『蝉しぐれ』背景について
- 時代 江戸後期
- 場所 「海坂藩」(架空)。モデルは荘内藩である。
◇描かれている主なできごと (Aさんの記録)
- 隣のふくが、へびにかまれる
- 与之助が江戸へ行く
- 父、助左衛門の死
- ふくが江戸へ
- 興津新之丞と戦い、勝利
- 秘剣村雨の伝授
- 里村に呼び出される
- ひのき(ママ)御殿で里村派と闘う
- 横山派へつく
- 三宅藤左衛門(ママ)を退ける ―里村との終結―
- 20余年が過ぎる
- 父の名をもらう
- お福さまに会う
◇特に印象に残るシーン(セリフ・心理・風景描写など) (Bさんの記録)
- 人間は後悔するように出来ておる
- 男だって木石じゃない。時には泣かねばならんこともある
- ふくが江戸に行き、手の届かない存在となってしまった時の文四郎の悔恨
- 3年ぶりに会った与之助との関係。ウソをつけないと言う文四郎
- 女たちの不幸
「生徒とともに『蝉しぐれ』を読む(3)」へ続く
(筆者・松田静子/鶴岡藤沢周平文学愛好会顧問)