2024年12月3日 火曜日

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藤沢周平書籍作品あれこれ

生徒とともに『蝉しぐれ』を読む(2)

学習活動

1 対象  3年生 1クラス 41名
2 時期  3学期 (就職希望者はほぼ全員内定し、進学希望者も約8割が決定していた)
3 学習過程 
6時間  個人読書と記録
毎時約40分、作品を読む
終了直前5分間、記録をとる
3時間  感想文作成
1時間  作品のテーマを中心とした指導
記録・感想文をめぐる指導
4 評価  3学期の評価に組み入れるため、ABCのランクを設け、下限を50点とした。(長編の作品を読み終えることが大きな目的なので、そのような評価の方法をとった)

生徒の記録(例)

個人読書6単位時間中、毎時5分間をとり
 (1) 作者・藤沢周平について
 (2) 『蝉しぐれ』の背景について
 (3) 描かれている主な出来事
 (4) 特に印象に残るシーン(セリフ・心理・風景描写など)

の4項目について記録させたものの例である。(1)及び(2)は、教師の説明を聞いてまとめさせ、(3)及び(4)は、個別に記録させた。読み方や名前に少々の間違いはあったが、気付いたときに訂正してやることにし、あまり細々とした注意は与えないで各自の進度を見守った。

◇作者 藤沢周平について

  • 本名 小菅留治(1927-1997)
  • 略歴 鶴岡市大字高坂に生まれる。
    湯田川中学校で2年間教師を勤めたが、肺結核のため休職。治療のため上京。業界新聞の編集長などをした後、小説を書き始め、46歳で直木賞を受賞。時代小説作家となる。

◇『蝉しぐれ』背景について

  • 時代 江戸後期
  • 場所 「海坂藩」(架空)。モデルは荘内藩である。

◇描かれている主なできごと (Aさんの記録)

  • 隣のふくが、へびにかまれる
  • 与之助が江戸へ行く
  • 父、助左衛門の死
  • ふくが江戸へ
  • 興津新之丞と戦い、勝利
  • 秘剣村雨の伝授
  • 里村に呼び出される
  • ひのき(ママ)御殿で里村派と闘う
  • 横山派へつく
  • 三宅藤左衛門(ママ)を退ける ―里村との終結―
  • 20余年が過ぎる
  • 父の名をもらう
  • お福さまに会う

◇特に印象に残るシーン(セリフ・心理・風景描写など) (Bさんの記録)

  • 人間は後悔するように出来ておる
  • 男だって木石じゃない。時には泣かねばならんこともある
  • ふくが江戸に行き、手の届かない存在となってしまった時の文四郎の悔恨
  • 3年ぶりに会った与之助との関係。ウソをつけないと言う文四郎
  • 女たちの不幸

「生徒とともに『蝉しぐれ』を読む(3)」へ続く 

(筆者・松田静子/鶴岡藤沢周平文学愛好会顧問)
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