良い歯の8020表彰を受賞しました。「この年で表彰されるなんて」と喜んでいました。ゆくゆくは自分もと思っていますが、何か秘訣はありますか?(57歳 女性)
受賞おめでとうございます。正式名称が「8020運動良い歯の長寿賞」といい、簡単にご説明します。通称「8020」と言われ、平成元年に始まった「80歳になっても自分の歯を20本以上保とう」という運動です。歯が20本以上あれば、ほとんどの食べ物を噛(か)み砕いておいしく食べることができ、いきいきとした生活を送ることができるといわれています。そこで、歯科医師会ではこうした運動を20年続け、80歳を超えてご自分の歯を20本以上お持ちの方を年に1度、秋に表彰しております。
まだ、応募していない方も想定するとかなりの数に上るかと考えられます。高齢者の増加と、それとともに歯を大切にする方が増えてきたことで年々達成者が増えてきていると思います。もっと増やしたいと考えております。
生活習慣やお口の管理をどう行ってきたかに尽きますが、その年代年代でのポイントを押さえておけば達成できるでしょう。すでにもう20本も歯がないという方は、残念ですが該当しません。ですが、残っている歯をこれからも大事にしてください。逆に現在、20本以上歯があり、今まであまり治療したことがない。ムシ歯は少ない方だが、歯磨きすると血が出る、動く歯がある、歯と歯の間が広い、歯が長く感じるといった状態で1年以上歯医者に行ったことがない。なかなか行きにくい、痛くないから大丈夫と思っている方は、1度受診されてはいかがでしょうか。
年代ごとに節目健診のご案内が秋ごろにあったかと思います。そういうものも2010年は利用してみてください。歯を失う原因のほとんどは、ムシ歯と歯周病です。毎日のお手入れはもちろんのこと、よく噛んで食べることが重要です。また、定期的な健診や指導やメンテナンスを受けて、噛み合わせのバランスもチェックしてもらい、長い目で診てくれる「かかりつけ歯科医」を持ってください。生涯、自分の歯で楽しい人生を送れるお手伝いをさせていただきたいとわたしたちも念願しております。
(「敬天愛人」 2010年01月号より)