「産直みかわでルッコラを見かけました。次回の素材にいかがでしょう」。県庄内庄内総合支庁農業技術普及課からの誘いで三川町の佐藤信夫さん=神花=を訪ねた。産直みかわ運営組合の理事長でもある佐藤さんは2年前4月の大根葉に続いて2度目の登場だ。
「ルッコラは産直みかわがオープンした3年前から栽培しています。割と人気があって、心待ちにしている消費者が多いんですよ。たくさん作りたいけど、手が回らなくて…」と苦笑いが返ってきた。佐藤さんは多種類の野菜を作り、自ら「1日に7種類の野菜を食べる。それが健康の秘訣」と話す野菜好きだ。
ルッコラはアブラナ科のハーブ系野菜で、酒田市が特産として力を入れているエジプト菜(ガルギール)の一種らしい。イタリア料理でよく使われるが、「テレビ番組に出演したフランスの名優・アラン・ドロンが、マルセイユではブイヤベースにルッコラは欠かせないと話していました」というから、フランスでもなじみ深い野菜なのだろう。
佐藤さんはハウスで通年栽培している。土から顔をのぞかせたルッコラは黄緑色で、葉の部分が大きい。全体的に軟らかそうだ。「ゴマの風味で独特の味がして少し辛みもあります。サラダにするとおいしいし、見た目もきれいです。用意してあるので行ってみましょう」。2人で産直みかわの食堂へと向かった。
佐藤さんが作ってくれたのがおすすめレシピのルッコラのサラダ。事前にスライスしてあった紫タマネギにトマトを切ってからめ、ルッコラを手でちぎっていく。ゴマの香りが鼻に飛び込んできた。このコーナーでエジプト菜を取材した時に経験したのと同じ香りだ。
サラダが出来上がった。「このドレッシングにはバルサミコ酢を使うらしいですが、くせがあるので私はあまり好きではない。白ワインビネガーで代用しました」。ドレッシングをサラダにあえる。「さあどうぞ。ドレッシングが少ないかな…。うん、いける」。
佐藤さんに促され、サラダを口に入れてみる。ゴマの風味が広がり、しゃきっとしたルッコラの食感が紫タマネギ、トマトとよく合う。ゴマの風味と独特の辛みは、好みもあるかもしれないが、さわやかな味わいだ。いろんな野菜、ドレッシングとの組み合わせを楽しんでみたい。
「煮たったみそ汁に放してもおいしいです。ブイヤベースに入れるというから、煮込み料理にも合うと思いますよ」と佐藤さんが話す。鍋の季節がきたらぜひ試したい。
若い人はもちろん、年配女性のリピーターも多いという佐藤さんのルッコラは100グラムで100円。三川町猪子の産直みかわ=電0235(66)5750=で通年販売している。少量なので早い時間に売り切れることもある。
ルッコラ1袋、トマト2個(400グラム)、紫タマネギ1/2個(75グラム)、A(白ワインビネガー大さじ2、オリーブ油大さじ2、塩小さじ1/2、粗びきコショウ少々)
2009年9月5日付紙面掲載