2025年1月21日 火曜日

文字サイズ変更



  • プリント用表示
  • 通常画面表示

漬け焼きポイントは塩

読者から「春祭りの席で魚の漬け焼きを出したいと思っています。今の時期、みそ漬けにするのにおいしい魚は何ですか。漬ける時に知っておいた方がいい知識、ポイントもあれば教えてください」という質問をいただきました。

庄内の春祭りで使う魚として思い浮かぶのはタイとサクラマスだと思います。魚を漬ける場合、みそか酒かす、またはみそかすということになるでしょう。今の時期に漬けるなら、やはりマスかコダイがいいと思います。スズキ、ウマヅラもおいしくなってきています。ハタハタもいい時期に入ってきました。ハタハタはしょうゆ漬けにしてみてください。

質問の中に「魚を漬ける時に知っておいた方がいい知識、ポイントは」とあったので、うちの加工部門を担当している工場長に聞いたり、料理人の方たちにお知恵を拝借しました。いろんなやり方があるようです。以下は聞いた内容を総合したものです。魚を漬ける際の参考にしてください。

魚はかす漬けやみそ漬けにしてもおいしいです。ぜひ挑戦してみてください

魚を漬ける前に大切な下ごしらえがあります。それはふり塩だそうです。魚の腹、つまり内臓を取った後、塩をふります。最低でも2時間以上、できれば半日から1日おいてください。これは余分な水分と生臭みを取るためで、同時に魚の身も締まります。そして味の基本となる下味を付けることにもなります。

塩の量は、後からプラスするみそ、または酒かすも含めた総合的な分量を頭に入れてください。みそには塩分が含まれているので、みそ漬けよりかす漬けの方が塩は多めにふった方がよいでしょう。みそ漬けにする場合は、漬ける時間を少し短くしてもいいかもしれません。

味のしみ方についてお話しすると、魚は脂がのっている方がしみにくく、脂がないとしょっぱくなりやすいのです。今の時期なら、コダイは脂がのっているので塩は多め、タイコは逆に少なめというように加減してください。これまでにも何度か説明していますが、コダイはチダイの子、タイコはマダイの子のことです。

漬ける時間は最低でも1日は必要です。2、3日たてば、いいしみ具合、味付けになります。ふり塩をした後、魚をガーゼにくるんでから漬けると、焼く時に洗わなくともいいので便利です。みそや酒かすは焦げやすいので、その点からもガーゼはおすすめです。ぬか漬けのようにはいきませんが、魚を漬けたみそや酒かすも数回は使えると思います。

庄内浜の状況を少しお話しします。刺し網漁でヒラメが目立って捕れています。定置網、はえ縄ではマダイが大量に水揚げされています。市場でも比較的安い値段で取り引きされています。天候にさえ恵まれれば、酒田まつり、天神祭でタイもヒラメもお求めやすい価格で、たっぷりと召し上がっていただけるのではと思っています。

(鶴岡水産物地方卸売市場手塚商店専務・手塚太一)
2008年5月9日付紙面掲載

トップページへ前のページへもどる
ページの先頭へ

ニッポー広場メニュー
お口の健康そこが知りたい
気になるお口の健康について、歯科医の先生方が分かりやすく解説します
鶴岡・致道博物館 記念特別展 徳川四天王筆頭 酒井忠次
酒井家庄内入部400年を記念し、徳川家康の重臣として活躍した酒井家初代・忠次公の逸話を交え事績をたどる。
致道博物館 記念特別展 第2部 中興の祖 酒井忠徳と庄内藩校致道館
酒井家庄内入部400年を記念し、庄内藩中興の祖と称された酒井家9代・忠徳公の業績と生涯をたどる。
致道博物館 記念特別展 第3部 民衆のチカラ 三方領知替え阻止運動
江戸幕府が3大名に命じた転封令。幕命撤回に至る、庄内全域で巻き起こった阻止運動をたどる。
致道博物館 記念特別展 第4部 藩祖 酒井 忠勝
酒井家3代で初代藩主として、庄内と酒井家400年の基盤を整えた忠勝公の事績をたどる。
致道博物館 記念特別展 第5部 「酒井家の明治維新 戊辰戦争と松ケ岡開墾」
幕末~明治・大正の激動期の庄内藩と明治維新後も鶴岡に住み続けた酒井家の事績をたどる。
酒井家庄内入部400年
酒井家が藩主として庄内に入部し400年を迎えます。東北公益文科大学の門松秀樹さんがその歴史を紹介します。
続教育の本質
教育現場に身を置く筆者による提言の続編です。
教育の本質
子どもたちを取り巻く環境は日々変化しています。長らく教育現場に身を置く筆者が教育をテーマに提言しています。
柏戸の真実
鶴岡市櫛引地域出身の大相撲の元横綱・柏戸の土俵人生に迫ります。本人の歩み、努力を温かく見守った家族・親族や関係者の視点も多く交えて振り返ります。
藤沢周平の魅力 海坂かわら版
藤沢周平作品の魅力を研究者などの視点から紹介しています
郷土の先人・先覚
世界あるいは全国で活躍し、各分野で礎を築いた庄内出身の先人・先覚たちを紹介しています
美食同元
旬の食べ物を使った、おいしくて簡単、栄養満点の食事のポイントを学んでいきましょう
庄内海の幸山の幸
庄内の「うまいもの」を関係者のお話などを交えながら解説しています

株式会社 荘内日報社   本社:〒997-0035 山形県鶴岡市馬場町8-29  (私書箱専用〒997-8691) TEL 0235-22-1480
System construction by S-Field