2025年1月7日 火曜日

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お口の健康そこが知りたい(5)

協力・鶴岡地区歯科医師会
 
イラスト

特に痛みはなかったのですが…

歯の根の先に影があり、ウミがたまってきて今後腫(は)れるかもしれません。ということで治療したのですが、治療後に逆に痛むようになり、治療中も痛い時があります。回数もかかるし痛くない歯を治療されてこのままで大丈夫でしょうか? 心配になりました。 (50歳 女性)

 

治療過程における一時的な症状で心配いりません。このまま治療を続けられたらいかがでしょうか。途中でやめてそのままにしてしまうのが一番危険です。ますます痛い思いをしかねません。場合によっては歯を失うことになります。痛くなかった歯が痛むようになり、驚かれたと思いますが、痛む前に、腫れる前に、ましてや歯を失う前に発見できてよかったのではないでしょうか。

では、なぜ痛みが生じたのでしょうか?

図

歯の中の汚れを取り除く際に、根の先の歯の外側をおおう歯根膜が刺激されたか(図右のピンクの部分)、酸素が苦手な細菌が治療によって酸素に触れ、炎症が活性化したために生じた体の反応なのです。腫れたりすることもありますが、一時的な症状で心配いりません。また、根の中を密封するお薬が入った時も痛みが出ることがあります。すり傷を消毒した時にピリッと痛むのと似たようなことが起こっているからで、これも心配いりません。自然に治まってきます。

 

回数がかかるのは?

写真

歯の神経は枝分かれしてかなり複雑に張り巡らされています(図右)。そこに入り込んだ細菌や細菌に汚染された部分を取り除く処置をしているのですが、機械では必要以上に取り過ぎるため、ほとんどを手作業で行います。どうしても細菌は目に見えないので可能な限りかき出して、取り残しのないように症状を見ながら進めるので回数がかかってしまいます。噛(か)むと響く、ウミが出るなどの症状があれば様子を見ながらなのでさらに、数回かかってしまいます。

 
今は、痛くなくても歯科医院に行く時代です。
 

(「敬天愛人」 2009年8月号より)

 
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