2025年(令和7年) 2月23日(日)付紙面より
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鶴岡に伝わる伝統あるひな人形やひな道具などを展示する「鶴岡雛(ひな)物語」が、22日から始まり、城下町に一足早い春の訪れを告げている。
「鶴岡雛物語」は、市内の展示施設や旧家などで公開されるひな人形などを巡る観光イベントとして1995年から始まった。22日から公開されている荘内神社「宝物殿」、致道博物館「御隠殿」をはじめ、3月1日(土)から松ケ岡開墾場、8日(土)から旧風間家住宅「丙申堂」、14日(金)から湯田川温泉「旧白幡邸」でも公開。湯野浜温泉の游水亭いさごや、竹屋ホテル、つるみストアーでも開催され、4月6日(日)まで展開される。
期間中は市内の菓子店で伝統の「鶴岡雛菓子」販売や、飲食店などでひな膳などの特別メニューが提供され、食でもイベントを盛り上げる。
致道博物館では21日、公開に先立ち、鶴岡市ボランティアガイドや同館ボランティア解説員などを対象とした展示解説が行われた。担当学芸員の佐藤淳さんが今年の展示の特徴や人形や道具類の由来などについて解説した。
今回特に目を引くのは、旧庄内藩家老の石原平右衛門家で受け継がれてきた有職(ゆうそく)雛の初公開。藩主から贈られたと推測され、男雛が約50センチ、女雛が約40センチと大ぶりで保存状態も良く、おひなさま研究家として知られる日本人形文化研究所所長の林直輝さんも「極めて貴重な優品」と話しているという。合わせて雅楽を奏でる七楽人も展示した。
参加したボランティアは「普段はどのようにしまっているか質問を受ける」などと話しながら、人形が入っていた箱などを見ながら説明を受けていた。
同館では、3月1日と22日(土)の午後2時から3時まで、学芸員による一般向けの展示解説を行う。
2025年(令和7年) 2月23日(日)付紙面より
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遊佐町合併70周年記念式典が21日、町生涯学習センターで行われた。町民ら関係者約200人が出席。さまざまな出来事を乗り越え現在に至った町の“古希”を祝った。合併した8月1日に合わせ昨年の同日に式典を行う予定だったが、豪雨災害の復旧作業のため延期されていた。
この日は遊佐混声合唱団が、1983年から交流を継続しているハンガリーで第2の国歌として親しまれているという「夕ぐれの祈り」を原語で披露。引き続き遊佐町子ども合唱団「スマイルキッズ」と共に「遊佐讃歌」を歌い上げ開幕した。
松永裕美町長が「町民と手を取り合い、本町の末永い発展を歴史として築き上げていくことを誓う」と式辞。自治や行政、教育、産業、社会福祉などの振興に功労のあった79個人・団体を表彰した。
ハンガリーのオルネル=バーリン・アンナ駐日特命全権大使が、ハンガリーの歌で歓迎してくれたことに感謝を表した上で、「遊佐町とハンガリーの40年を超える交流は相互理解のために非常に大事。大使としてうれしく思う」と祝辞を述べた。
遊佐町は54(昭和29)年、当時の遊佐町と蕨岡、稲川、西遊佐、高瀬、吹浦の5村が合併し誕生した。町のシンボルとする鳥海山、白砂青松の海岸、胴腹の滝や丸池に代表される数多くの湧水とそれらが稲を育む広大な田園、本州で最多を誇るサケの遡上(そじょう)数など多種多様で豊富な資源を有する。
2020年12月に日本海沿岸東北自動車道が遊佐比子インターチェンジまで延伸され高速道路が初めて町内に達した。沖合で進む洋上風力発電事業は昨年暮れ、大手商社の丸紅や丸高(酒田市)など5社で構成する事業者が選定され、近く海底地盤調査が開始される見通しなど順調に推移している。
一方、人口は合併時の2万5543人から1万2157人(昨年末現在)まで減っており、他自治体同様に人口の減少率緩和が大きな課題になっている。
2025年(令和7年) 2月23日(日)付紙面より
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「オランダせんべい」など菓子製造・販売を手掛ける酒田米菓(酒田市両羽町、佐藤栄司社長)は、バスケットボールB2リーグ東地区に所属する本県のパスラボ山形ワイヴァンズと連携し20日、コラボ商品「パスラボ山形ワイヴァンズコラボオランダせんべい うましお味」の販売を開始した。チームカラーの紫色を基調にしたパッケージデザインで、所属選手らのトレーディングカード付き。
酒田米菓はワイヴァンズのオフィシャルスポンサーを務めている。商品1点につき1枚付いてくるトレーディングカードは選手13人とヘッドコーチ、マスコットを紹介、キラキラ光るレアカードを含め全30種で構成。今季のプレー写真などとともに、お薦めのせんべい「推し味」を記載している。
酒田米菓は「プロスポーツチームとは初の地域密着型のコラボ商品。県全体でおいしく楽しく応援できる商品」と。チームは「コレクション心がくすぐられる商品。食を通じてワイヴァンズの応援をよろしくお願いします」とコメントしている。
48グラム入りで280円(税別)。ワイヴァンズホーム戦会場、県内のヤマザワ各店や道の駅、酒田市のオランダせんべいFACTORYなどで扱っている。
2025年(令和7年) 2月23日(日)付紙面より
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鶴岡市の三瀬保育園(本間日出子園長、園児62人)の年長組が1年間かけて学んだ「庄内論語」の素読を年中組へ引き継ぐ「論語素読のバトンをわたす会」が21日、同市の庄内藩校致道館で行われた。年長組の園児たちが「背筋をピンと伸ばし、間違えても良いから大きく口を開けて声を出す」と素読のポイントを年中組に伝えた。
同保育園は2016年から毎年、年長組が月1回致道館の御居間に正座し、庄内論語を素読している。致道館文化振興会議の富樫恒文副会長(77)の指導で本年度は14人が参加。鶴岡市内の小中学校などに配布されている「親子で楽しむ庄内論語」に掲載された全55章のうち抜粋された20章を月に2章ずつ学んだ。
この日の「わたす会」は年長組と年中組を合わせて20人余りが参加。お手本となるよう年中組の方を向いて正座した年長組が、富樫さんに続きながら「子曰く。学んで而して之を時習す。亦説ばしからずや」と大きな声で章分を読み上げた。
最後に本年度習い続けた20章分を通して読み上げ、“バトン”の引き渡しが終了。年中へ「背筋をピンと伸ばすこと」「間違えても良いから大きく口を開けて声を出そう」とアドバイスした。テキストなしで20章分を高らかに読み上げるお兄さん、お姉さんの姿に、年中組の園児たちも自然と姿勢を正していた。年長組の後藤卯楽々(うらら)ちゃん(5)は「(論語素読は)最初は簡単だったけど、だんだん難しくなった。年中組もみんなしっかり覚えられると良いな」と話していた。
来月1日には致道館で論語素読発表会が行われ、年長組の園児たちが保護者の前で1年間の集大成を披露する。