2025年(令和7年) 1月17日(金)付紙面より
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鶴岡市馬場町の荘内神社(石原純一宮司)で15日、縁起物をたき上げる恒例の「どんど焼き祭」が行われた。だるまやお札、松飾りなどを市民が持ち寄り、浄火にくべて今年一年の無病息災や家内安全を祈った。
同神社のどんど焼き祭は小正月を締めくくる恒例行事。古くなったお札や松飾り、お守りなどをたき上げる神火に当たると1年間風邪をひかないとされるほか、スルメなどを竹ざおの先に挟み神火であぶって無病息災などを祈りながら食べるのが習わし。
同神社前の参道に約3メートル四方の焼き場が設けられ、年末から神社に持ち込まれた松飾りやだるまなどが積み上げられた。例年は午後5時に神事と火入れが行われるが、日が落ちてからの点火は危ないため今回から1時間繰り上げての実施となった。
この日は風が強く、時折枝に積もった雪が巻き上げられ、火入れを待つ人々へ吹き付けるほど。神事で大祓の詔を読み上げた後、石原宮司が「今年の鶴岡は穏やかな正月を迎えることができた。今年一年、皆さんが穏やかに過ごせるよう願っています」とあいさつ。神火をともした松明(たいまつ)で火入れが行われ、お札や松飾りが燃え上がると静かに手を合わせる参拝客の姿も見られた。
庄内町から家族6人で訪れた40代女性は「荘内神社のどんど焼き祭は昨年に続いて2回目。今年一年が平和であるよう祈った。後はおまけで良縁も願った」と笑いながら話していた。
2025年(令和7年) 1月17日(金)付紙面より
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「つるおか市民で歌うオペラ・ガラ・コンサート」が19日、鶴岡市の荘銀タクト鶴岡で行われる。公募により結成された市民合唱団と庄内ゆかりのソリストや指揮者、演奏者が出演し、オペラの名曲を歌い上げる。現在、本番当日に向けて市民合唱団が猛練習を繰り広げており、関係者は「多くの方にオペラを楽しんでほしい」と話している。
荘銀タクト鶴岡、市教委主催。「ガラ」は祝祭や公的なパーティーを意味するスペイン語で、ガラ・コンサートは「特別公演」「記念演奏会」「祝賀音楽会」といった意味合いで年末年始に合わせて使われることが多い。
市民合唱団は高校生から80代まで男女80人(男性25人、女性55人)で構成。昨年4―6月の公募で集まった全員を採用した。いずれも鶴岡市在住または在勤という。8月末に練習が始まり、月2回のペースで実施した。
合同練習最終日の13日は午後1時半から荘銀タクト鶴岡で行われた。発声練習の後、約2時間にわたって全体練習を繰り広げた。指導者の柿崎泰裕さん(73)=鶴岡土曜会混声合唱団、鶴岡放送児童合唱団指揮者=が歌のテンポや演奏へのつなぎ方、声の上げ下げのポイントなどを熱心に指導。時折冗談と笑い声を交えながら、明るい雰囲気で練習が進められた。
柿崎さんは「オペラの雰囲気を楽しみつつ、頑張って練習してきた皆さんの歌を聞いてもらいたい」と話していた。
また、今回オペラに初挑戦という60代男性は「オペラが好きでずっと楽しみにしていた。合唱団などに属していないので、他の皆さんの歌い方はとても参考になる。なにより練習がとても楽しい」と話していた。
コンサートは19日午後2時開演。ソリストはソプラノ・佐々木麻子さん、尾形志織さん(ともに鶴岡市出身)のほか、テノール・宮里直樹さん、バリトン・黒田祐貴さんが出演。フルート演奏として同市出身の鎌田邦裕さんも参加する。指揮は酒田市出身の工藤俊幸さん、管弦楽は山形交響楽団が担当する。曲目は歌劇「愛の妙薬」「ラ・ボエーム」「カルメン」など。オープニングは斎小ミュージックベル隊が演奏する。
チケットは一般S席が3000円、ペアS席が5000円、A席2000円、ペアA席3000円。学生(25歳以下)はS席が1500円、A席が1000円で学生証の提示が必要。当日券は500円増し。問い合わせは荘銀タクト鶴岡=電0235(24)5188=へ。
2025年(令和7年) 1月17日(金)付紙面より
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酒田市松山地域の神社・仏閣が所有する宝物などを紹介する企画展「松山の神社仏閣めぐり展―神様・仏様に会いに行こう」が、同市の松山文化伝承館(榎本和介館長)で開かれている。
同地域には現在、28の神社と10の寺院が健在。中には開創600年余の総光寺(字総光寺沢)、羽州松山藩の歴代藩主の菩提寺である心光寺(字北町)、同地域の総鎮守として信仰を集めた中山神社(内町)などがあり、地元住民を中心に広く知ってもらおうと企画した。
二代藩主・酒井忠豫(ただやす)公が山寺皇大神社(山寺)に奉納した絵馬「繋馬図」(市指定文化財)、長秀寺(中北目)が所有する、北極星や北斗七星が神になって現れたとされる「北辰菩薩」が玄武の台に座った像など、軸装、書物、宝物計26点が並ぶ。
各神社・寺院の住所や由来を紹介した写真付きの解説も展示。来館者たちは歴史的にも貴重な資料やなじみ深い神社の宝物などを興味深そうに眺めていた。
展示は来月9日まで。今月19日(日)には榎本館長によるギャラリートークが行われる。参加は無料(入館料別)。問い合わせ・申し込みは同館=電0234(62)2632=へ。
2025年(令和7年) 1月17日(金)付紙面より
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鶴岡市櫛引地域の在来野菜「宝谷カブ」を使ったベトナムのサンドイッチ「バインミー」が、同地域の産直あぐり敷地内にオープンしたCAFE DIEM(カフェ・ジェム)で期間限定販売されており、「カブが甘くておいしい」「食べ応えがある」と好評だ。
カフェ・ジェムは秋田県出身で、現在は鶴岡市内に住む小林俊也さん(45)がベトナム出身の妻レ ティ ジェムさん(32)の実家で栽培しているコーヒー豆を使ったベトナムコーヒーを日本の人にも飲んでほしい、ベトナムの豊かな食文化を紹介したいと、ベトナムコーヒーとバインミーの店を昨年11月にオープンさせた。
二人の出会いは約10年前で、秋田県出身の小林さんが勤務していた鶴岡市内の縫製会社に、ジェムさんが海外からの技能実習生として配属されたこと。2017年に結婚し、ジェムさんの実家のコーヒー豆を使ったカフェを開きたいと思うように。さらに、フランスパンよりも柔らかく、子どもからお年寄りまで味わえるバインミーと合わせて提供したいと、現地でも有名なバインミーの職人から作り方を一から学んだ。そして、鶴岡産小麦「ゆきちから」を使用したバインミーに地元産の野菜、ベトナムハムを挟んだ「鶴岡バインミー」をメインに、ベトナムでの一般的な食べ方の練乳がけや目玉焼きをサンドしたものなど数種類のバインミーを販売している。
店舗が産直施設にあるということで在来野菜にも着目、収穫がピークだった宝谷カブを、生産農家の畑山千津さんらの協力を受け、先月中旬から限定で提供している。焼いてスライスした宝谷カブは甘みが増し、ベトナムのチリソースのピリッとした味付けもチーズでマイルドになり食欲をそそる。「鶴岡バインミー」が650円なのに対し、1000円(いずれも税込み)と値が張るが、「ここでしか味わえない」とリピーターも多い。提供は2月上旬までを予定しているが、カブがなくなり次第終了する。
小林さんは「食の都庄内ならではの冬のメニューを作りたかった。現在は櫛引地域特産の漬物を使ったメニューも考案中。幸い、新鮮な野菜やフルーツが集まる産直にある店なので、これからも地元産にこだわって、ベトナムとの架け橋となるような商品を作っていきたい」と話している。
カフェ・ジェムは午前9時から午後4時までで、バインミーの販売は午前9時半から午後3時半まで。