2024年(令和6年) 12月14日(土)付紙面より
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酒田市など市内外の産学官4者による「実データを用いた実践的データサイエンス教育に関する協定」に基づき、同市の東北公益文科大学(神田直弥学長)の学生たちは今秋以降、ホームセンター・チャンピオン(同市四ツ興野、高橋芳秋社長)の酒田店でプロジェクト型応用演習「POSデータ分析で売場改善」に取り組んでいる。年末商戦に向け、学生たちがデータ分析で導き出した売れ筋商品を自ら陳列し販売を手掛けるもので、12日午後は同店で商品陳列などを考察した。
協定は昨年8月、市と公益大、チャンピオン、ビッグデータプラットフォームを運営する「True Data」(トゥルー・データ、東京都港区、米倉裕之社長)が締結。購買データ(ID―POS)、ビッグデータなど用いて公益大生が学びを深めるなど産学官連携による実践的教育の機会を創出することで、デジタル人材の育成を図るのが狙い。
昨年に引き続き実施している演習は、チャンピオン酒田店の購買データ、トゥルー・データの生活者ビッグデータを分析し、学生たちが年末商戦における「大掃除用品」の売り上げ増に向けた「売り場」を提案。実際に販売活動を繰り広げ、その効果を検証するもの。神田学長(交通心理学、人間工学)と松尾慎太郎准教授(監査論など)の指導で2年生を中心に計17人が3班に分かれて取り組んでいる。
扱うものとして学生たちは台所や風呂・トイレの掃除用品に加え、気持ちをリフレッシュしてもらうために菓子類を選定。同店、全国のドラッグストアのデータを元に売れ筋商品を探り、この日は同店バックヤードで陳列方法やポップの位置などを確認した。
学生の一人、今野美歩さん(20)=2年=は「データを実際に活用してみたいと思って参加した。この陳列棚が多くの人の目に届いてほしい」、松尾准教授は「学生たちは丁寧にデータを分析し、売れる商品を探ったようだ。データに基づき説得力のある提案ができるようになってもらえたら」と話した。
学生たちは今後、販売促進に向けた商品紹介動画なども制作する。19日に再度訪問し実際に陳列、翌20日ごろから年末にかけて販売する予定で、来年2月には同店関係者らを招き報告会を開催する。