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2025年(令和7年) 2月14日(金)付紙面より

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大雨被災の社殿再建へ 酒田 御瀧神社 CFに取り組む広く支援呼び掛け ご神体無傷に奮い立つ

 昨年7月下旬の記録的大雨で社殿が全壊した酒田市下黒川の御瀧(みたき)神社。社殿の再建に向けて同神社の阿曽右貢宮司(74)はクラウドファンディング(CF)に取り組んでいる。第一目標金額は500万円。阿曽宮司は「圧巻の自然美と地域の大切な場所を後世に継承するため、どうか温かい支援をお願いしたい」と呼び掛けている。

 落差15メートルほどの「不動の滝」を祭る同神社は、安土桃山時代の建立といわれている。滝は別名「開運出世の滝」と呼ばれ毎年、多くの受験生や新社会人が訪れるほか、地元住民が地域の豊作・豊水を願い神事を行う神聖な場所として長年受け継がれてきた。大雨の影響で土砂が崩れ参道が一時通行止めになり、激しい水の流れで社殿は壊滅的な被害を受けた。

 大雨の翌日、神社の様子を見た阿曽宮司は「土砂で埋まった水路や崩落した道路、杉の木にもたれかかるように崩れていた社殿の姿を見ても現実味が湧かず、頭が真っ白になった」と。心が折れかけていた中、崩れた社殿の中から3体のご神体が奇跡的に無傷で見つかったことに奮い立たされたという。

 神社のあった場所は現在、がれきを撤去し一定程度の整地をしているが、危険防止のため境内前の道路から立ち入り禁止となっている。再建費用は2500万円余の見通しで、共済金や自己資金だけでは到底かなわないという。今回のCFで寄せられた支援金は、防災のため境内を約1メートル底上げする費用に充てるほか、社殿再建費用に活用する予定。社殿については複数年での整備を見込み、氏子などと協議している。

 阿曽宮司は「酒田、全国の皆さんから愛される御瀧神社であり続けたい。自身の最後の仕事として、ご神体にまた神域に鎮座してもらい、後世につなぐことができたら」と語った。

 支援はCFサイト「READYFOR」(レディーフォー)で、受け付けは来月31日(月)午後11時まで。リターンは限定御朱印やお守り、トートバッグなど。アドレスはhttps://readyfor.jp/projects/kaiun2236

昨年7月の大雨で被害を受けた御瀧神社=昨年 7 月、阿曽宮司提供
昨年7月の大雨で被害を受けた御瀧神社=昨年 7 月、阿曽宮司提供

がれきが撤去された境内。社殿がなくても奥の不動の滝を拝みに参拝者が訪れるという=昨年10月
がれきが撤去された境内。社殿がなくても奥の不動の滝を拝みに参拝者が訪れるという=昨年10月


2025年(令和7年) 2月14日(金)付紙面より

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タラ汁振る舞い元気づける 大雨被災 大沢地区へ由良の有志訪れ交流

 昨年7月の記録的大雨で被害を受けた酒田市大沢地区の住民らを元気づけようと12日、鶴岡市由良地区の有志が大沢コミュニティセンターを訪れ、自慢のタラ汁などを振る舞った。

 八幡地域の復旧・復興に向け地元の若者らが立ち上げた「酒田やわた未来会議」(阿部彩人代表)と、由良の自治会や漁業者会、観光協会などで組織する地域協議会「ゆらまちっく戦略会議」(齋藤勝三会長)が「やわた未来食堂」と銘打って企画。2017年にゆらまちっく戦略会議が大沢地区を訪れ、活動内容を紹介する講演企画を行うなどの縁があり今回、「地区として被災地を応援できないか」と齋藤会長が酒田やわた未来会議のメンバーで大沢地区住民の三浦友加さんに打診した。

 この日はゆらまちっく戦略会議メンバー、料理教室や魚の商品開発などの地域活性活動に取り組む「海鮮レディース」の計6人が由良漁港で揚がったマダラ4尾分を持参し大沢コミセンを訪問。集まった大沢地区住民約15人に、タラ汁と新鮮なタラの卵をしょうゆと酒に一晩漬けた子漬けなどを振る舞った。

 住民たちは大ぶりのタラの身や白子の入ったタラ汁や珍しい子漬けに舌鼓を打ちながら、「汁に酒かすは入れないのですか」「子漬けがご飯に合っておいしい」など地区同士で交流。中には「今シーズン初めてタラを食べることができた」という住民もおり、和気あいあいと食事会を楽しんでいた。

 酒田市大蕨に住む70代女性は「こんなにおいしいタラ汁は食べたことがない。酒かすもネギも入っていないのに全然臭みを感じない。同じ庄内地方に住む人たちが励ましに来てくれたことが何よりうれしい」と笑顔で話した。

 齋藤会長は「自分たちの持っているもので被災地を元気づけたかった。笑顔を見ることができて良かった。今後も地区同士で定期的な交流ができたら」と語った。

由良地区住民が大沢地区住民にタラ汁を振る舞い交流=12日昼、大沢コミュニティセンター
由良地区住民が大沢地区住民にタラ汁を振る舞い交流=12日昼、大沢コミュニティセンター


2025年(令和7年) 2月14日(金)付紙面より

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50年の節目祝う 酒田 ル・ポットフー “酒田フレンチ”さらなる発展誓う

 日新開発(酒田市幸町一丁目、五十嵐渉社長)が運営するフランス料理店「ル・ポットフー」の創業50周年を記念した祝賀会が10日夜、同店で開かれ、関係者が半世紀の歩みを振り返るとともに、先人が紡いできた縁を未来に引き継いでいくことを誓った。

 ル・ポットフーは1973年、「名支配人」として名をはせた故佐藤久一さんが中町三丁目にあった清水屋百貨店内で創業しその2年後、幸町一丁目の日新開発ビル内に出店した。長年にわたってグランシェフを務めた故太田政宏さんが創作した「フランス風郷土料理(酒田フレンチ)」が評判を呼び、「裏日本随一のフランス料理店」と全国の食通から称賛され、大勢が訪れるなど地域振興にも貢献。2020年11月、JR酒田駅前の整備事業で誕生した複合施設「光の湊」A棟内に移転し、新たなスタートを切った。

 この日は関係者約160人が出席。半世紀の歩みを振り返る動画上映に続き五十嵐社長が「皆さんの支援、スタッフの努力があったからこそ、困難に挑戦し歩み続けてこられた。『全てはお客さまのために』との思いでこれからも挑戦し続け、さらに発展していきたい」とあいさつした。

 矢口明子酒田市長らの祝辞に続き、同店で提供するため東北銘醸(同市十里塚、佐藤雅士社長)が特別に醸す大吟醸「秘蔵初孫」を用い、佐藤社長の発声で乾杯。出席者は▽ガサエビのクリュビスクのチュイル添え▽早春酒田のブイヤベース▽国産牛テールのパイ包み―といった同店自慢の料理に舌鼓を打ちながら思い出話に花を咲かせたほか、グランシェフの交代式も行われた。

東北銘醸の佐藤社長(右)の発声で乾杯し節目を祝った
東北銘醸の佐藤社長(右)の発声で乾杯し節目を祝った



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