2011年(平成23年) 12月22日(木)付紙面より
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鶴岡市大岩川の浜中地区で17日、小学生の女の子同士が稲わらのくじを引いて、“姉妹の契り”を結ぶ珍しい風習「ケヤキキョウダイ」の儀式が、同地区の大阪神社で行われた。2007年以来4年ぶりで、6人3組の姉妹が誕生し、一生涯にわたり姉妹として付き合っていくことを固く誓った。
風習の由来ははっきり分かっていないが、200年以上の歴史があるとされ、「ケヤキ」は樹木の欅(けやき)ではなく「契約」がなまったものという。成女になるための儀式的な意味を持ち、女性の大役であるお産が軽く済むように祈る行事ともされる。また、契りを結んだ2人が一緒に大みそかから元日にかけて「断食」などの行を3年間続けると、お嫁にいってもよいとされている。
このような風習は全国でも珍しく、1989年に旧温海町の無形民俗文化財、93年には国の記録作成等の措置を講ずべき無形文化財として指定を受けた。
この日は子供たち全員が神社に集合。前回に誕生した先輩姉妹2人が指導者役を務め、稲わらを2つに折ったくじを用意し、みんなで輪になりながらくじを引き、姉妹の組み合わせを決めた。
今回、誕生した姉妹は、いずれも温海小学校の佐藤理菜さん(6年)と剱持那奈さん(3年)、佐々木桃花さん(5年)と佐藤汐麗さん(3年)、佐藤凜音さん(5年)と佐藤あかりさん(3年)の3組。神社から200メートルほど離れた小国川の河口まで引いたくじをつかんだまま移動し、くじを川に流して末永く姉妹として交際していくことを誓った。
この日結ばれた姉妹は、大みそかに地区内の民家に一緒に泊まり、持ち寄った餅を交換して食べた後、元日の昼まで食べ物を一切口にしない「断食」の行に入る。また、早朝には同神社で祈とうを行う。
次回の契りの儀式は、地区内に対象となる小学生の子供がいないため、4、5年後になるという。