2012年(平成24年) 4月3日(火)付紙面より
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鶴岡市のあつみ温泉の「朝市」が1日、今シーズンの営業を開始した。早朝はまだまだ寒さを感じるものの、海産物の加工品や温泉まんじゅうなどがずらりと並んだ店頭で、売り子の女性たちの元気な声が温泉街に響き渡った。
あつみ温泉の朝市は、江戸時代中期に「あば」と呼ばれる海岸部の女性たちが海産物を持ち寄り、道端で売ったのが始まりとされる。現在はあつみ温泉朝市組合(富樫富男組合長、参加14店)が、温泉街の中心部にある木造平屋建ての長屋式店舗で営業している。
シーズン初日、気温が低いものの朝方は晴れ間も見えた。店頭には特産の赤かぶ漬けやとち餅、岩ノリ、温泉まんじゅう、民芸品などがずらりと並び、売り子の女性の声に誘われるように地元民や温泉客が広場へ次々と足を運んだ。
中には浴衣姿の家族連れなどもおり、売り子から「これ、食べて」と渡された漬物やお菓子などを試食し、気に入った品を買い求めていた。山形市から来たという60代の夫婦は「庄内に住んでいた20年ほど前に比べて売ってる品が変わったみたい。山菜が採れるシーズンにまた来たい」と話していた。
富樫組合長は「大震災の直後の昨年に比べたら、初日としてはまずまずの出足となった。雪や雨が降らず良かった」と話していた。朝市の今シーズンの営業は11月いっぱいまでで、営業時間は午前5時半から同8時半ごろまで。