2012年(平成24年) 8月18日(土)付紙面より
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鶴岡市温海地域の戸沢地区に伝わる「戸沢花胡蝶(はなこちょう)歌舞伎」が16日、同地区の戸沢公民館で上演され、地域住民らが地元の伝統芸能を楽しんだ。
戸沢花胡蝶歌舞伎は、史料がなく起源がはっきりしないが、隣接する山五十川地区で300年ほど前から伝承されている山五十川歌舞伎と同じほどの歴史があるという。
山五十川歌舞伎が様式美を備えているのに対し、戸沢花胡蝶歌舞伎は地域住民で楽しむという素朴さが持ち味。毎年8月16日に上演されていることから「供養歌舞伎」とも呼ばれている。
この日の演目は「一ノ谷嫩軍記 熊谷陣屋の段」。源平合戦の最中、熊谷直実は一の谷の合戦で平敦盛を討ち取り、陣屋に戻る。源義経に首を差し出すが、その首は直実の息子・小次郎の首だった。直実は敦盛を救うため同じ年齢のわが子を身代わりにし、世の無常を悟って出家する―というストーリー。同地区の男性約15人が出演し、情感たっぷりに演じた。
会場には子どもからお年寄りまで80人ほどの観客が集まり観劇。役者の名演技に拍手を送っていた。