2012年(平成24年) 8月19日(日)付紙面より
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鶴岡市の早田地区に伝わる在来作物「早田ウリ」の収穫体験が18日、同地区の栽培農家のほ場で開かれた。
早田ウリは、大正時代に北海道から持ち込まれたウリと地元のウリ「銀マクワ」と交雑してできた品種といわれている。果実の大きさは8―10センチで色は灰白色。細く浅い10本の溝があり、カボチャの形に似ている。糖度は10度前後で夏のフルーツとして地元で親しまれてきた。
収穫体験は、早田地区の栽培農家らでつくる「早田ウリ保存会」(本間治廣会長)が主催。イベントを通して市場にほとんど流通していない早田ウリの知名度の向上と、後世に残していくことを目的に今回初めて企画した。
この日は、鶴岡、酒田の両市や庄内町から19人が参加。はじめに道の駅あつみ「しゃりん」隣のコンビニ裏側にある会員所有の約200平方メートルのウリ畑で収穫体験した。参加者たちは会員から「ヘタが外れているものが完熟しており食べ頃。もぎ取るというより拾うような感覚で収穫してください」などと説明を受けた後、両手で青々と生い茂った葉をかき分けて完熟した早田ウリを探すなどして収穫を楽しんでいた。
その後、近くの早田公民館に移動し、本間会長の「早田ウリについて」、平智山形大農学部教授の「在来作物について」と題した講話を聴くとともに、早田ウリの試食や昼食を楽しんだ。
鶴岡市羽黒町川行から参加した今田今朝雄さん(77)は「メロンとは違う甘味があっておいしい。子どもの頃に食べたウリの味に似ていてとても懐かしかった」と話していた。