2013年(平成25年) 4月2日(火)付紙面より
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鶴岡市のあつみ温泉の「朝市」が1日、今シーズンの営業を開始した。店頭には地元特産の海産物の加工品や温泉まんじゅうなどが並び、久しぶりに売り子の女性たちの掛け声が温泉街に響いた。
あつみ温泉の朝市は、江戸時代中期に「あば」と呼ばれる海岸部の女性たちが海産物を持ち寄り、道端で売ったのが始まりとされる。現在は、あつみ温泉朝市組合(富樫富男組合長)が、温泉街の中心部にある木造平屋建ての「長屋式店舗」で営業している。
この日は青空広がる天候に恵まれ、11店舗が構える朝市広場には、埼玉県や福島県から訪れた観光客など大勢の人が足を運んだ。各店頭には特産の赤かぶ漬けや岩のり、イカの塩辛、民芸品などがずらりと並んだ。買い物客たちは、売り子たちの元気な声に導かれるように足を止め、試食するなどして気に入った品を買い求めていた。
今シーズンの営業は11月いっぱいまでで、営業時間は午前5時半から同8時半まで。富樫組合長は「初日は例年に比べ多くの人に朝市に訪れてもらい良かった。震災以降、厳しい営業が続いているが、5月の大型連休に大勢の観光客が利用してくれることを期待したい」と話していた。