2013年(平成25年) 8月20日(火)付紙面より
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鶴岡市温海地域の早田地区に伝わる在来作物「早田ウリ」の収穫体験が18日、同地区の栽培農家のほ場で行われた。親子連れなどが足を運び、みずみずしいウリを収穫した。
早田ウリは、大正時代に北海道から持ち込まれたウリと地元産の「銀マクワ」の交雑で生まれた品種とされる。果実の大きさは8―10センチで色は灰白色。細く浅い10本の溝があり、カボチャの形に似ている。糖度は10度前後で「夏のフルーツ」として地元で親しまれてきた。
早田地区には以前、複数の栽培農家があったが、近年は高齢化などに伴い生産者が減少。栽培方法などははっきりしたものが伝わっていないため、山形大農学部など研究機関の協力を基に試行錯誤しながら栽培に取り組んでいる。
収穫体験は、早田地区の栽培農家でつくる「早田ウリ保存会」(本間治廣会長)の主催。早田ウリの知名度向上や後世に伝えていくことを目的に昨夏初めて実施した。2回目の今回は庄内一円から20人余りが参加。道の駅あつみ「しゃりん」隣のコンビニエンスストア裏手にある同保存会のウリ畑(約200平方メートル)に集まり、本間会長から「へたから外れているものが完熟しており食べ頃」と説明を受けた後、収穫に向かった。
参加者たちは生い茂った葉やつるをかき分け、ウリを見つけると「これは食べ頃ですか?」と保存会メンバーに尋ねながら収穫を楽しんだ。収穫したウリのうち大きめのものを1人2個もらい、家に持ち帰った。
近くに住む本間未侑さん(16)=鶴北高1年=は現場で試食。「食感はメロンを柔らかくしたよう。初めて食べたが、ほのかに甘くておいしかった」と話していた。参加者は収穫体験後、近くの大龍寺に移動し、鐘突き体験などを楽しんだ。