2014年(平成26年) 4月17日(木)付紙面より
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鶴岡市鼠ケ関の弁天島に鎮座する厳島神社の例祭行事「神輿(みこし)流し」が15日、同地区で行われた。白装束に身を包んだ地元の若者たちが神輿を担いで鼠ケ関川に入り、今年の豊漁を祈った。
神輿流しは江戸時代中期の宝暦年間(1751―64年)に始まったといわれている。地区内を流れる鼠ケ関川の河口で弁天像が漁師の網に掛かり、村人が手厚く祭ったところ、豊漁が続いたとの伝説に由来する。
この日は午前中に御祈(き)祷(とう)が行われ、「精進徒(しょうじんと」」と呼ばれる白装束の地区の若衆たちや子どもたちが神輿を担いで地区内を練り歩いた。
午後2時すぎ、家々で振る舞い酒のもてなしを受け、すっかり酔って千鳥足の精進徒たちが川岸に到着し、神輿とともに川に入った。この日は快晴だったものの、川の水は身を切るような冷たさ。若衆らは「ロレ、ローレ」と独特の掛け声を上げて神輿に豪快に水を掛け合い、河口までの約100メートルを3往復した。
川沿いには多くの見物客が詰め掛け、岸まで水しぶきが跳ねる迫力あふれる様子に歓声を上げていた。