2014年(平成26年) 8月20日(水)付紙面より
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鶴岡市温海地域の早田地区に伝わる在来作物「早田ウリ」の収穫体験が17日、同地区の畑で行われ、親子連れら12人がみずみずしいウリを収穫した。
早田ウリはマクワウリの一種で、大正時代に北海道から持ち込まれたウリと地元産の「銀マクワ」の交雑で生まれた品種とされ、直径8―10センチ。色は灰白色で細く浅い10本の溝があり、メロンのような香りと味が特徴。以前は複数の農家が栽培していたが、近年は高齢化などに伴い生産者が減少。市場に流通しない「幻の作物」となっている。
収穫体験は、地元の農家でつくる「早田ウリ保存会」(本間治廣会長)が、知名度向上と伝承を目的に2012年から行っている。今回は鶴岡市や三川町、米沢市から12人が参加。道の駅あつみ「しゃりん」のそばにある約7アールの畑に集まり、本間会長から「食べ頃になると、つるの付け根から実が外れる特性がある」など説明を聞き、収穫を楽しんだ。採れたてを試食した鶴岡市の鎌田稔さん(69)は「優しい甘みで、さっぱりしていておいしい。とても懐かしい味がする」と話した。
収穫体験後は集落内の公民館に移動し、同保存会が試作を進めている早田ウリのアイスクリームを試食した。早田ウリのアイスクリームは24日午前8時―午後5時に、しゃりんで数量限定の試験販売が行われる。