2014年(平成26年) 8月26日(火)付紙面より
ツイート
鶴岡市早田の道の駅あつみ「しゃりん」で24日、夕陽(ゆうひ)能が行われた。日本海に夕日が沈む雄大な景色を背景に、同市山五十川地区に伝わる山戸能(県指定無形民俗文化財)が披露された。
しゃりんの開設1周年(1992年)を記念して始まり、今年で23回目を迎えた。毎回、同施設の敷地内の水平線を望む海岸沿いに特設ステージが設置され、夕日が空を染める頃に催しが始まる。
この日はあいにくの曇り空となったが、開演が近づくと雲の切れ間から夕日がのぞき、雲を赤く照らした。舞台を清める「座揃囃子」で幕開けし、「公達」と「姫」の2人が大地を踏むように舞う全国でも珍しい稚児舞「恋慕の舞」が披露された。恋慕の舞は本間瑞貴君(山戸小5年)が公達役、山川佑宇弥君(同4年)が姫役で華やかに舞った。
メーンの番能は「羅生門」。海風を受けてかがり火が揺れる中、舞台では渡邊綱と鬼神の争いが繰り広げられた。夕日を背景に演者の姿はシルエットとなり、厳かに舞う様子に会場を埋めた大勢の家族連れやアマチュアカメラマンは引き込まれるように見入っていた。