2015年(平成27年) 10月22日(木)付紙面より
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大雨などによる土砂災害を想定した避難訓練が20日、鶴岡市湯温海の県福祉休養ホーム「寿海荘」(木村正明支配人)で行われ、歩行困難な利用者の安全な避難誘導など有事の対応を確認した。
近年、台風などの豪雨による土砂災害が多発しているのを受け、高齢者などの災害時要援護者関連施設などを対象に県庄内総合支庁河川砂防課が指導する形で毎年実施。寿海荘は高齢者や障害者らの休養宿泊施設で、市地域防災計画で土砂災害警戒区域(イエローゾーン)に立地している。
この日は同支庁や市の担当者が訪れ、職員約20人が参加。初めに土砂災害に関するDVDを見た後、同支庁の担当者が講話。土砂災害警戒区域の設定などについて説明し、「テレビやラジオの情報収集など行政の知らせる努力と住民の知る努力が災害から命を守ることにつながる」と話した。
続いて、避難誘導訓練が行われ、市から土砂災害警戒情報が伝えられたとの想定で訓練。館内アナウンスで職員が自衛消防隊の役割に基づき、トイレや部屋にいる利用者の状況を確認。歩行困難な利用者は車椅子で移動させるなどし、1階から2階の一時避難場所に誘導させた。
訓練を終えて職員から「外に逃げるより室内に残る方がいいのか」「周囲の状況で危険と判断する基準は」などの質問が出され、同支庁は「土砂災害が発生した場合は1階部分が埋まる。土砂が来ない離れた所に避難を」「山鳴りや山の方で石が転がるなどの前兆現象や、雨量で判断を」と話した。木村支配人は「よりスムーズな避難へ訓練を重ね、人命第一を忘れず行動していきたい」と話していた。