2016年(平成28年) 7月8日(金)付紙面より
ツイート
鶴岡市の温海中学校(越中聡校長、生徒188人)で6日、3年生を対象にした救命救急学習が行われた。鶴岡市消防本部温海分署員を講師に、生徒たちが心臓マッサージや人工呼吸の方法、自動体外式除細動器(AED)の使い方などを学んだ。
沿岸部にある同校は、救命法が必要となる場面に出合う可能性があり、その場に居合わせても適切に対処できる心構えを生徒たちに持ってもらおうと毎年、海水浴シーズンが近づくこの季節に救命救急学習を実施している。
今回は3年生56人が受講。講師の温海分署員など7人が来校し、初めに座学として救命講習を学ぶ意味について「呼吸が止まって酸欠状態になると3、4分で脳細胞は死に始める。救急車を待つより、その場に居る人が1秒でも早く救命する方が助かる可能性は上がる」と語った。
署員が実際に救命法をデモンストレーションで披露した後、生徒たちが実技に臨んだ。7、8人ずつのグループに分かれ、ダミー人形を使いながら心臓マッサージや人工呼吸、AEDの使用などを一通り覚えた。署員から「人工呼吸の際は必ず気道を確保して」「ある程度の力を加えないと心臓マッサージは効果がない」といった指導を受けながら、生徒たちは慣れない救命法を身に染み込ませようと真剣に取り組んでいた。
本間梨花さん(15)は「救命法は難しい部分もあるけど、誰かが倒れていて周囲の人が対応できない場合、自分が勇気を持ってやるべき。命を落とす人が一人でも少なくなれば」と話していた。