2016年(平成28年) 8月5日(金)付紙面より
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鶴岡食文化創造都市推進協議会(会長・榎本政規市長)の鶴岡食文化女性リポーターによる「ばばごっつぉ調査大作戦第1弾・温海福栄編」が2日、鶴岡市温海地域の木野俣集落センターで行われた。山菜や塩蔵物を使った中山間地域の食文化を地元の女性たちが伝授。山の恵みをおいしく変身させる技や処理法を教わった。
食文化女性リポーターは、フェイスブックなどSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で体験リポートを発信してもらうことで鶴岡の食文化を伝える事業として2010年度にスタート。昨年度は埋もれてしまいそうな食文化の継承に取り組もうと、赤カブをみそなどで漬ける「あば漬け復活プロジェクト」を実施。本年度は引き続き、「埋もれてしまいそうな食文化や技術」を焦点に、多様な地域性を持つ家庭料理などを一緒に調理しながら学び、掘り起こしていく。
第1弾となった今回は、温海地域の山間部、福栄地区をピックアップ。地元で活動する地域おこし協力隊の男女3人も準備などを協力し、この日は女性リポーター8人と、地域の年配の女性5人が参加。自己紹介などに続き、ミズのたたきやかつお節を最後に入れて仕上げたフキのかつお煮、福栄地区で「どんぐり」と呼ぶどんごえ(イタドリ)の煮付け、だし汁に氷を入れて食べる時にみそを溶くキュウリとナスの冷汁など8品を一緒に作った。
「ミズは包丁で切ると硬くなるから筋を取りながら折る」など山菜の下処理や、一晩水に漬けて戻しておいたどんごえの煮方などを会話を弾ませながら教わり、昼食で会食。酒田出身で羽黒地域に嫁いだ女性リポーターの渡部由紀さん(42)は「地域が違うと呼び名も違い、フキやミズのきれいな色の出し方などが勉強になった。地域のお母さんたちも仲が良く、作り手の人柄というのも素朴な材料をおいしいごちそうに変えるスパイスだと感じた」と話していた。
次回は10月に櫛引地域でのばばごっつぉ調査を予定している。