2024年(令和6年) 9月6日(金)付紙面より
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庄内が北限のかんきつ類スダチの収穫が各栽培農家で始まった。鶴岡市熊出の佐藤勝さん(74)方の畑ではゴルフボール大に実ったスダチを枝から取り、近くの産直「グー」に出荷している。
庄内産のスダチは例年5月上旬に花が咲き6月ごろに実をつける。収穫は9月初め。庄内5市町の農家合わせて17人が栽培し産直施設とJAに出荷、地元の飲食店でも引き合いがある。
用途は肉や魚料理、サラダ、焼酎の割りものなど幅広い。主産地の四国ではスダチの輪切りをたくさん入れて香りと爽やかさを楽しむ「スダチそば」が人気だ。
月山ワイン用のブドウをメインに作っている佐藤さんが、スダチ栽培を始めたのは8年前。「ただ単に興味を持って」と広さ3アールの畑に24本植えて育てている。「今年はよく実った。品質はいいよ」と佐藤さん。「一緒に育てる農家が1人でも増えたらうれしいね」と笑顔を見せた。
庄内産スダチは2、3年の幼木の越冬対策が難しいが、成木になれば、それほど手間はかからないという。収穫した実を半年間保存する技術も確立されている。
佐藤さん方での収穫は今月20日ごろまで。今年は200~250キロの収量を見込んでいる。