2022年(令和4年) 5月10日(火)付紙面より
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鶴岡市の藤島八色木薬師堂で8日、お堂に祭られている「薬師瑠璃光如来像」の御開帳が始まった。これまで12年に1度の寅年に八色木地区民しか見ることはなかったが、お堂を管理する堂主の海藤徳之さんと羽黒町手向の羽黒山荒澤寺正善院(島津慈道住職)が、世界平和への願いを込めて一般公開することにした。初日から信者たちが訪れ「とても貴重な姿を見ることができ感謝の気持ちでいっぱい」と話していた。
お堂に祭られている薬師瑠璃光如来像は1686(貞享3)年に落野目村(現・酒田市落野目)の水田で見つかった。高さは5・5センチ。「八色木の海藤家に祭ってほしい」という神子(みこ)のお告げ通り、海藤家に安置された。その後、海藤家で正善院の飛び地境内に薬師堂を建立。お堂の中にご本像を祭り、地域住民の心のよりどころとして大切に守られてきた。
数年前に海藤さんが「地区の住民だけでなく多くの人から見てもらえればご本像も喜んでくれるはず」と正善院に願い、寺の関係者らで御開帳に向けた準備を進めてきた。
初日のこの日は、庄内一円から信者や郷土史に関心を持つ人たちが訪れ、ご本像とひもでつながった「ご縁づな」に触り、無病息災や家内安全などの願いを込めていた。
正善院の長南弘道副住職は「御開帳の期間は限られているが、とても貴重な時間になると思う。多くの人に参拝していただければありがたい」と話していた。
御開帳は10月までの各月8日、12日、17日で、時間は午前の部が午前10時?正午、午後の部が午後1時?3時。各日とも長南副住職らがお堂に訪れ、ご本像について説明する。拝観料は500円。お堂を守る整備資金に充てられる。御開帳を記念し、庄内和紙を使った御朱印も頒布している。八栄島地区地域活動センターに駐車場を用意している。お堂へは歩いて5分ほど。丁字路交差点に矢印で行き先が示されている。問い合わせは正善院=電0235(62)2380=へ。