2011年(平成23年) 1月15日(土)付紙面より
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遊佐町で促成栽培ウルイの収穫作業が始まった。もみ殻の中から掘り出されたウルイは、根元が透き通るような純白で葉は優しい薄緑色。その鮮やかなコントラストが、早春の息吹を感じさせている。
JA全農山形庄内統括事務所によると、庄内地方の促成栽培ウルイは昨季、約37万8000パック(100グラム詰め)が地元や首都圏などに出荷され、約5700万円の売り上げがあった。同町はそのうち9割ほどを占める全国でもトップクラスの産地。鳥海ブルーライン近くの小野曽地区や町北東部の白井新田地区などで盛んに栽培されている。
小野曽地区の荒木崇さん(40)方では11日から出荷開始。2年前の春に株分けしたウルイを前年の晩秋、ビニールハウスに移植してもみ殻をかけ、まきストーブで16、17度に保ちながら1カ月ほど育て、30センチほどになったものを収穫している。
収穫したウルイは水できれいに洗い、根元を切り落としてからパックに詰めるなどして出荷する。促成栽培のウルイはサクッとした歯ごたえでくせがなく、生でも食べられるのが特徴。
収穫作業に余念がない父親の可晴さん(70)は「昨夏の猛暑が影響して収量はあまり望めないようだ」とした上で、「味は間違いない。定番のあえもののほか、浅漬けや天ぷらにして食べてほしい」と話した。
出荷作業は4月下旬まで続く。