2011年(平成23年) 4月29日(金)付紙面より
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鳥海山(2236メートル)の中腹を通り遊佐町と秋田県にかほ市を結ぶ山岳観光道路「鳥海ブルーライン」(延長約35キロ)の開通式が28日、同町小野曽集落の旧料金所前で行われ、シーズン中の無事故と登山者らの安全を祈った。今年は大雪と東日本大震災後の燃料不足で除雪作業が遅れ、当面は標高1000メートルの大平山荘までの部分開通。全線開通は来月1日を予定している。
開通式では、時田博機遊佐町長が「鳥海山は東北、日本の宝。本日の春山開き以降、訪れていただく多くの方々の安全と、イベントなどが大過なく行われることを祈る」とあいさつ。地元選出県議や伊藤眞垣鳥海山大物忌神社宮司ら10人がテープカットした後、一番乗りした藤井昭三さん(74)=酒田市宮海=に花束と記念品の「花笠人形」が贈られた。
鳥海太鼓の勇壮な演奏に送られ、パトカーを先頭に大平山荘までパレード。今季は雨が少ないため雪解けが進まず、標高約300メートルの陣屋辺りからは道路脇に雪が残り、1000メートルの大平山荘付近では高さ3メートルほどの雪の回廊になっている。パレードの車は濃いガスの中、ヘッドライトを点灯し慎重に運転。雪の壁を縫うように進み、大平山荘を目指していた。