2011年(平成23年) 5月29日(日)付紙面より
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県漁業協同組合(本所・酒田市、五十嵐安哉組合長)が出荷を自主規制していた庄内浜を代表する初夏の味覚・岩ガキ漁が、27日朝から庄内浜全域の計7海域で解禁された。
ノロウイルスによる食中毒発生の可能性を考慮し、県漁協では海水温が上がるまで採取・出荷を自主規制。県庄内保健所と県漁協が今月に行った試験採取の結果、いずれの海域でも安全性が確認されたため26日、翌日朝からの漁にゴーサインが出た。
このうち鳥海山から注ぐ清流や伏流水で、岩ガキの育ちが良いことで知られる遊佐町吹浦一帯の海域では、ウエットスーツに身に包んだ漁師たちが水深3―5メートルの岩に付いた、15―20センチまで成長したものを次々と採取。
漁師らは正午前には吹浦漁港に戻り出荷の準備。包丁などを使い、殻に付いた海藻をはがす「カキたたき」の作業を繰り返していた。第三幸陽丸船長で漁師の一人、高橋武春さん(79)=吹浦=は「海水温が幾分低い感じだったが、例年に比べて身の成育は悪くない。岩ガキは6―7月が一番おいしい時期」と話していた。高橋船長によると、資源保護のため吹浦地区では一日の採取量を1人7箱(1箱11キロ詰め)と決めているという。岩ガキ漁は8月中旬まで行われる。